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その、途端。ガキン、という音と共にチェシャの剣は弾かれた。弾かれると思っていなかったのか、チェシャはここで初めて表情を変えた。
僅かにだが、目を見開いたのである。彼の剣を弾いたのは、アリスの傍にいる、白猫ダイナだ。咄嗟に、
シールドのようなものを貼り、攻撃を防いだのだ。
｢――
ダイナ、彼を、ハッターを守って！｣
アリスの声が響く。ホワイトもアリスを見る。相変わらず冷たい目をしていた。ホワイトは、様子見と言った感じだろうか。ちらりとアリスを見たものの、すぐにハッターとチェシャの方に視線を戻した。
剣を弾かれたチェシャは、剣を構え直して、斬りかかった。が、その途端。眩しい光が辺り一面に広がり、一瞬、間が空く。次いで、白い光の塊がチェシャの剣を持つ手に当たる。
カラン、と床に剣が落ちた音がしてチェシャを見てみれば、彼は左腕を抑えていた。
それを見たハッターは、我に返り、アリスの手を引いてこの場から離れるのだった。場を離れきる前に、
アリスには｢良かった｣と酷く安堵した声が聞こえた。が、それは果たして、チェシャのものだったのか、
それともその声自体が空耳だったのだろうか。
急いで逃げていたので、今となっては分からない。
だが、アリスにはその声が、中々耳から離れなかった。
(あの声は、チェシャのもの？でも、ハッターは聞いていなさそうだし……私の聞き間違い？でも、あんなに安心した声……チェシャは、本当は私達を傷付けたくなかった……？ハッターに、聞いてみなくちゃ。チェシャを知っているようだったし……)
アリスは手を引かれながら、そんな事を考えながら、走っていた。その考え事は、ハッターに声を掛けられるまで続いた。
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ユエル(プロフ) - クルルさん» コメありがとうございます！不定期更新ですが頑張りますね(^^) (2021年1月11日 13時) (
レス) id: 673d6f73a6 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - めちゃくちゃ面白い！！！！サイコーです！！続き待ってます！！ (2021年1月3日 23時) (レス) id: 297c8a2c3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル×日向なつ x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月21日 1時
