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19. いつか、壊れてしまうから。 ページ19

18 side



なんとなくテレビを付けて

そこに映ったのは

僕の大好きな人。


それは、Aの仕事に密着した番組だった。












_______「朝3時に現場入りですか?」

_______『そうです。終わるのは次の日の朝4時。その日の入りが朝5時。この2週間家に帰ってない笑』







_______「本番行きまーす5秒前、4、3、2....」

_______『おはようございます。結城です!』






_______「リハーサルは個人で?」


_______『みんなとスケジュール合わないので、笑』








______『役で体重10キロ落としたあと戻らんままコロナになって、また5キロ落ちて。それが戻らないまま、また役で5キロ落として。今も戻らないまま。』







_______『眠いのに寝れへん.....』

_______「1回病院いきなってば」

_______『そんな時間ないねん......』







_______「Jr.の頃からずっと一緒やけど、誰かに頼ってるの見たことがないっす」

_______「何言っても『大丈夫』って。」







_______「散々殺されかけてんのにずっと笑顔なんすよね、あいつ。」

_______「Aの体、傷だらけっすよ。ファンから刺された時の傷跡がいっぱいある。」

















僕の知らないところで

苦しんで、もがいて。


誰にも助けを求められないのなら

せめて僕くらい頼って欲しい。



そして、最後。

その言葉が、深く、強く.....胸に突き刺さった。










「しんどくないんですか?」













『.......しんどくないわけ、ないです。』






『頼らないんじゃなくて、頼り方がわかんないんですよ』







『どれだけ辛くても笑うってほど大変なことは無いし』




『でも、それでも笑って、ファンに笑顔を届けるのがアイドルなんで。それが仕事なんで。』








『泣きたいこといっぱいあるけど、私が泣く訳にはいかないんですよ。』




『私がおらんければ事務所に入れた子が必ずいるから。』






『だからせめて、笑顔で辞めようって決めてるんです』






なあ、A

お願いやから壊れんといて__________。

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作者名:京香 | 作成日時:2023年7月20日 19時

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