19. いつか、壊れてしまうから。 ページ19
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なんとなくテレビを付けて
そこに映ったのは
僕の大好きな人。
それは、Aの仕事に密着した番組だった。
_______「朝3時に現場入りですか?」
_______『そうです。終わるのは次の日の朝4時。その日の入りが朝5時。この2週間家に帰ってない笑』
_______「本番行きまーす5秒前、4、3、2....」
_______『おはようございます。結城です!』
_______「リハーサルは個人で?」
_______『みんなとスケジュール合わないので、笑』
______『役で体重10キロ落としたあと戻らんままコロナになって、また5キロ落ちて。それが戻らないまま、また役で5キロ落として。今も戻らないまま。』
_______『眠いのに寝れへん.....』
_______「1回病院いきなってば」
_______『そんな時間ないねん......』
_______「Jr.の頃からずっと一緒やけど、誰かに頼ってるの見たことがないっす」
_______「何言っても『大丈夫』って。」
_______「散々殺されかけてんのにずっと笑顔なんすよね、あいつ。」
_______「Aの体、傷だらけっすよ。ファンから刺された時の傷跡がいっぱいある。」
僕の知らないところで
苦しんで、もがいて。
誰にも助けを求められないのなら
せめて僕くらい頼って欲しい。
そして、最後。
その言葉が、深く、強く.....胸に突き刺さった。
なあ、A
お願いやから壊れんといて__________。
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作者名:京香 | 作成日時:2023年7月20日 19時