互換の枷 ページ37
川に辿り着いた時Aの思った通りカサンドラはそこにいた
相変わらず川の中心に半透明の姿のまま浮いている
A「また会ったね、カサンドラさん」
カサンドラ『貴方様は…確かあの時アポロン様を川から助けてくれた方…』
カサンドラは小さく首を傾けた
A「覚えていてくれたんだね…嬉しいよ…」
Aはニコリと微笑むとカサンドラに近寄っていった
A「貴方にお願いがあるんだ」
カサンドラ『私に…?』
不思議そうであり不安そうな表情をしたカサンドラはこくりと首を傾げた
A「アポロンを助けて欲しい」
カサンドラ『アポロン様を…?』
Aの足が既に水に浸かっていたが、それでも気にする事なくAはザブザブと川に侵入し、話を続けた
A「貴方にならアポロンを救える。アポロンを苦しみから解放させられるんだ…今の状態のままだとアポロンは完全に暴走してしまう。私はそれを止めたいんだ………だから…」
Aはカサンドラの足下に辿り着き、その体の半分以上が水に浸かっているにも関わらず深々と頭を下げた
A「私と一緒に来て欲しいんだ…ここからアポロンのいる場所まで…」
そんなAの申し出にカサンドラは困ったようで悲しそうに瞳を伏せた
カサンドラ『私は川から離れる事が出来ないのです…私の魂は川によって捕われています。幽体である今では他の体を借りない限り川から出られないのです…』
が、Aはカサンドラの言葉にほっと胸を撫で下ろし
A「そんな事か…なら、私の体を使ってくれないかな?私でよければ喜んで貴方に体を捧げるよ」
カサンドラ『えっ?!しかし、そんな事をすれば1つの体に2つの魂が宿る事になります…しかも、私に体の主導権を譲るとなると、貴方の魂が危うい状態になります…そしたら、私ではなく貴方が消えてしまうかもしれませんよ…!!』
それでも、Aは穏やかな笑みを崩さなかった
A「私の事よりもアポロンの方が大切だよ…それに…もし例え私が消えても貴方が残る…そうなればアポロンはまた貴方と愛し合えるんだ…その方が貴方もアポロンも幸せだろ?」
カサンドラ『しかし…』
Aの言葉はカサンドラの胸にある意味での恐怖感を与えた
ーー自分の事をまるでただの道具の様に思っているーー
そんな言葉は口からこぼれる事はなかった
223人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒薔薇 白夜 - 続きがあるなら見てみたいです (2016年1月11日 22時) (レス) id: 3428a84a4c (このIDを非表示/違反報告)
VALGUS(プロフ) - 珠華さん» 珠華さん、コメントありがとうごさます……!!多分これからどんどん原作から離れてく可能性大ですが、よろしくお願いいたします……!!! (2015年12月31日 11時) (レス) id: 4900cab5df (このIDを非表示/違反報告)
珠華 - 原作と全く同じでわなく、少し工夫がしてあっていいと思います!!とても、面白かったです。更新頑張って下さい。 (2015年12月29日 2時) (レス) id: 39dd721836 (このIDを非表示/違反報告)
VALGUS(プロフ) - 皆さんすみません…週1更新どころかほぼ半年も更新出来ていなくて…これからは出来れば月に何度か更新出来るよう善処致しますので、おこがましいですがこれからもよろしくお願い致します (2015年11月8日 16時) (レス) id: 89ee4bbed4 (このIDを非表示/違反報告)
梨音 - すごい面白かったです!更新楽しみにしてます!! (2015年7月27日 0時) (レス) id: 8cdfc61d3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:VALGUS | 作成日時:2014年9月26日 23時