飛びたい 17 ページ19
ホークスside
貴「うーん、目が悪い、というよりも片眼が見えないんです‥。」
ホ「え‥。」
俺は驚きを隠せなかった。
片眼が見えない‥？
そんなそぶりはなかったはず‥。
貴「とは言っても、あまり他の人と見た目の差異は、無いと思います。ちょっと、濁っていたり、目に小さな傷があるくらいで。
不自然では無いと思います。
でも、生活には不便で‥。ほら、ノートの罫線に字が沿ってないと思うんです‥。
お茶も上手く注げなかったり‥。
という感じで、距離感が掴めないんです‥。」
そう言って真ちゃんは、しゅんと小さくなった。そして、ぽつりぽつりと言い始めた。
貴「私の個性、烏で、不幸だとか不吉だとかで、幼い頃、い，じめられていたんです。
ある時に、男の子が投げた小石が私の目に入って‥。そこから運悪く、失明してしまいました。
私、飛ぶのが大好きで、いつかはホークスさんのように自由に空を飛べたらいいなって、夢見てたんです。
個性が発覚してから、ずっと、飛ぶ練習してたんです。なにより、嬉しくて。
母も烏で、ホークスさんのように翼もあって。お揃いっていう感覚でとても嬉しかったんです。
屋上で、飛ぶ練習をしてて、看護師さんに怒られる、なんて、しばしばで。
いつか、この病室から、飛び出して、青空に舞えたら‥。って、思ってたんです。
‥‥。でも、片眼が見えなくなってから、距離感が掴めなくて。飛んでも、上手く飛べなくて。それから、何かあったら危ないからということで、金輪際飛べなくなってしまったんです。
‥‥、なんて、ごめんなさい。聞かれていないのに。ホークスさんにこんなことを言ってしまって。」
ホ「全然いいんだよ。続けても。」
そう言っても、
貴「いいえ、ちょっと、聞いてもらって、楽になりました。ありがとうごさいました。」
と、申し訳なさげに返した。
やっぱりこの子は、どこか寂しげだ。
大人びなくても良いところまで、大人びてしまっている。
さっき、少しは心を開いて本音を聞けたのかと思っていたけれど、どこか、我慢している。
‥‥彼女の心は独りだ。
"望んでは、いけない"
その、思いが彼女を縛り付けている。
何とかして、解けないものか‥。
貴「ホークスさん？」
〜♪
あぁ！こんなタイミングに‥。
誰が連絡してきたんだ‥。
ふと、携帯を取り出すと、公安からだった。
これは、無視するわけにはいかない‥。
ホ「ごめんね」
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茉凛 - 話の内容はとても良かったです！応援しています！あの、間違いではなければ、「飛びたい 10 ページ11」の「敵」のはずが「的」となっている思います。 (11月15日 21時) (
レス) @page11 id: 39fff43af6 (このIDを非表示/違反報告)
茶々 - RIKUさん» まだ、ネタバレになってしまうため、どちら、とまでは言えませんが、いずれはそのような流れにしようかと思っています。応援、ありがとうございます。 (2020年5月5日 13時) (レス) id: cb2e5c4a97 (このIDを非表示/違反報告)
RIKU - とても面白いです。更新頑張ってください！失礼かもしれないけどちょっとお聞きしたいのですが、死ネタ注意というのはどちらか死んでまうんですか？ (2020年5月5日 13時) (レス) id: 203b0c7d28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茶々 | 作成日時：2020年5月4日 22時
