WASABI ３

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俺だけ、焦り過ぎてんのかな？

不安になったけど・・・


Aが俺のカッターシャツの袖んとこ、
きゅっ、て、つまんで。


「嬉しい。
そんな具体的に考えてくれてたなんて」


俺をちらって恥ずかしそうに見上げて、
言うてくれた。


「当たり前やん。
これでも色々考えてるねんで？」


ほんまは結婚準備て何から始めてええんか、
全く分かってなくて、
気持ちばっか突っ走ってて。

この前、ヤスに、
具体的にどうすればええんか、
アドバイスされたばっかのくせに、
胸を張ってしまった。


「ありがと。
仕事は・・・
赤ちゃん生まれるまでは続けたいな。
いい？
課長に紹介してもらった手前、
今更、取り消せないし・・・」


そうお願いされて、
家におって欲しい思ってたはずやのに、

すぐにデレってなってもうて。


「うん。
もちろん。
赤ちゃん、はよ欲しいな」


ついまた先走ってるし。


「忠義が子供好きなんて知らなかったよ」


「そらそうやろ。
俺も最近知ってんもん」


「何それ」


「今までは、先のことなんか、
全く見えてなくて。
今日、目の前のことだけ、
頑張ればええって思ってたけど。
でも、Aと付き合い始めたら、
将来の絵が自然と見えるっていうかさ・・・」


こんなしっかりした奥さんなら、
安心して、家のこと任せられるし。

Aがおってくれたら、
実際の自分より何倍も強くなれる気がしてる。


こんな頼り切ってるってばれたら情けないから、
これは、言わんとこ。


「どんな未来？
嬉しいな」


Aの答えに、ちょっと不安なって。


「Aは違うん？
俺との将来は見えへん？」


つい、聞いてもうた。

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