検索窓
今日:10 hit、昨日:5 hit、合計:312,808 hit

16 ページ37

「忠義?どうしたの?」


Aが俺を戸惑った目で見てる。


その表情にまた刺激されて、
余裕あるふり、したなってもうた。


「これもここと同じ住所に送っといて下さい」


宅急便の兄ちゃんに、
今度引っ越す新しい部屋に送ってくれ、て、
指示までしてもうた。


亮ちゃんとの思い出の詰まった荷物と、
共存して暮らさなあかんなるっていうのに。


ほんまのアホや。

けどもう後には引かれへんやん。




宅急便のお兄さん、帰ってもうた。


二人きりになって、
唐突に気まずさが襲う。


俺、さっき、最悪な態度取ってもうたし。

なんなら、嫌われてるかもしらん。


長い付き合いの中で、
こんな不安感じたんは、
初めてや。


友達とは違うから。

別れたら、それでおしまいになんのに・・・


怖くてたまらん。


「・・・忠義、帰ろっか」


その言葉に、どんだけほっとしたか。


めっちゃ情けないわ・・・





自転車の後ろに、Aを乗せて、
月明かりの照らす街の中を走り抜けてく。

夜風が心地よい。


「新しい部屋のある方、
寄り道してこか」


背中に聞いて、
返事も聞かずに、方向転換。



来週から二人で暮らす街は、
寮からそんなに遠いわけちゃうけど、
今から二人の生活が始まるって思うと、
気持ちが浮かれてくる。


Aのお気に入りのパン屋もあるしな。


マンションの近くまで来た時、
祭りの喧騒が流れて聞こえてきた。


「お祭りだ。
浴衣の人たち、あっちの神社の方に歩いてくよ」


俺の背中で、
Aが指差した方向。


確かに、
浴衣姿の人が吸い込まれるように歩いてく。


「行ってみよか?」


「うん!
行きたい!」


Aの声も心なしかはしゃいでる。

17→←15



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (239 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
717人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

^o^(プロフ) - 更新楽しみに待ってまーす! (2018年7月27日 16時) (レス) id: 08c21993cd (このIDを非表示/違反報告)
h413woman(プロフ) - 2の続編があったなんて昨日初めて知りました(笑)いつも楽しく読ませてもらっています!有難うございます!せっかく名前変換があるので、お前と呼ばれるよりも、名前で表示されるように増やしてくれると嬉しいです! (2018年7月12日 13時) (レス) id: 6ee695b244 (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 長くなってもいいと思いますよ〜、是非とも読みたいです(≧▽≦) (2018年7月12日 7時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 返信有難うございます◎覚えててくれて本当に嬉しいです☆250字に言葉が纏まらずいつも長くて申し訳ない笑( ; ; )ロングバージョン読んでみたいな〜気長に待ってます(^o^)/安田社長の今後の展開も楽しみ♪ (2018年7月12日 5時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
yume.no.(プロフ) - 長いバージョン、ウェルカムです☆それより雲行きがあやしいー!!ドキドキ笑 (2018年7月11日 22時) (レス) id: 716f977705 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:fool x他1人 | 作成日時:2018年7月4日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。