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「終電までまだ時間あるし。
雨宿りに、久々に大学でも行く？」
唐突に大倉が言い出して・・・
小雨の中を、
二人で歩き出す。
夏の終わりの湿った匂いが、
私たちを包み込んでる。
今だけでもいい。
あと少しだけでも・・・
キャンパスは、夜間の生徒たちがまばらに歩いてるだけで、昼間とは全然、雰囲気が違う。
「卒業以来やから・・・
もう５年以上も経つねんなあ」
大倉が懐かしそうに言いながら、
迷わず校舎の中に入ってくから、
慌てて、後を追いかけた。
空き講義室の後ろの席に、
並んで座って。
濡れた私の髪を、
ハンカチで拭いてくれる。
「寒いやろ？」
ばさっとスーツのジャケット、かけてくれた。
それだけで、
胸がしめつけられて苦しい。
「大倉も寒いでしょ」
「俺は大丈夫や。
お前、寒がりやもんなあ。
ゼミ室のエアコンの設定温度に、
よう愚痴ってたやん」
「そうだったっけ？」
「そうや。
暑がりのマルがやたらに設定温度下がるから」
「そんなこと、あったなあ。懐かしい」
大倉のジャケットはおっきくて、あったかい。
大倉に包み込まれてるような、錯覚がしてる。
「この席でよう寝てたなあ。
寝てる自覚はなくてさ。
チャイムで起きて、
ノートの字がミミズみたいになってて、
ああ、またやってもうた！て、
衝撃受けるねん」
「ほんと、大倉はしょっちゅう寝てた。
私がいなかったら、
無事に４年で卒業出来てないはず」
「そこはほんま、感謝してます。
初めて喋ったんも、
ノートの貸し借りやもんな。
覚えてる？」
「覚えてるよ。
情けない顔してさあ。
同じクラスの真柴さんですよね？
天丼奢るから良かったらノートをコピーさせて下さいって、大倉が代表で言いに来たんじゃん」
「お前、記憶書き換えんなや。
敬語なんか使ってへんし。
お前だけがあの講義、
寝落ちせずにノート取ってたって、
マルが噂を聞きつけて来てな。
俺がじゃんけんに負けて、
代表で声かけることになってん」
多分、そう思ってるのは、
大倉だけ。
私の大倉への密かな気持ちに気付いたマルちゃんが、
気を遣ってくれたんだよ。
それは今でも内緒だ。
出会った１８歳のあの頃に戻ってやり直せたら・・・
私はどうするだろう。
女子力あげて、
大倉を振り向かせる？
それとも・・・
いっそ、
最初から友達になんてならなければ・・・
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さらさ(プロフ) - foolさんのエイトの作品は全て読ませてもらってます！好きなお話は2、3回読んでるものもあるのですが、中でもこのWASABIは1番好きかもしれません...！毎回キュンキュンギュンギュンしてます。これからも楽しみにしています(^^)いつも本当にありがとうございます！！ (2018年6月13日 0時) (
レス) id: 08444c354d (このIDを非表示/違反報告)
^o^(プロフ) - 切ない、、どうなるかドキドキです！ (2018年6月12日 22時) (レス) id: 08c21993cd (このIDを非表示/違反報告)
okmrern(プロフ) - 主人公ちゃんの長い片思いがどうなるのか楽しみです！！みんな幸せになって欲しいな…foolさんの作品（関ジャニ）はほぼ読みました！まだのものもこれから読んでいきたいです！2年目も頑張ってくださいね！これからも楽しみにしてます！！！ (2018年6月1日 18時) (レス) id: 68033e2488 (このIDを非表示/違反報告)
えりんこ(プロフ) - キタァー大倉君！亮ちゃん切ないけど主人公ちゃんには長年の片思いの分大倉君といっぱいイチャイチャしてほしい (2018年5月23日 22時) (レス) id: 1e4f9bb0d5 (このIDを非表示/違反報告)
516516516t(プロフ) - 公園のシーン忠義くんがくるの期待していたらやはり、、、！！ぎゅんぎゅんしてます！ｗｗｗ (2018年5月23日 17時) (レス) id: 06c5e90194 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年5月21日 18時
