WASABI

１７ ページ43

翌日は日曜で、
一日、Aとイチャイチャして過ごせて、
俺としてはめっちゃ充実しててんけど・・・


二人でかき氷してたら、
Aがワンピースの上に、
氷用の蜜をこぼしてな。

それが頑固でなかなか落ちひんかって。


クリーニング屋行くことなってん。

ついでに俺のスーツも出そって。


そのあたりからかな。


めっちゃはしゃいでたAの様子がおかしいなって・・・

無理にわろてる感じでさ・・・

理由聞いても言えへんし。


風邪ひいたかも、ってはぐらかされた。



夜にはいつも通り、
車で部屋に送って行って・・・


しばらく、３階のあいつの部屋を眺めてたら・・・

なんとベランダに出てきてん。


ぼんやりしてて、俺には気付いてくれへん。

いや、こんなとこでじっと見てるなんて、
それこそ、彼氏やのにストーカーみたいやしな。

ばれへん方がええんかな。


A、しばらくぼんやりしてて、
それから、携帯で何かしてる。

大倉に連絡でもしてんの？

勘ぐり始めたらキリがない。


昨夜、抱き合うてる時、可愛かったけど・・・

いつもは、

俺を好きって、無意識に何度も声にしてくれんのに、一回も言うてくれへんかった。


俺もいつもは何回でも言うてまうのに、
言われへんかった。

こんなちっちゃいことにこだわってるって。

ほんま、情けないよな。


大倉のとこ、行かせたくないのに・・・



ずっと忘れてた佐和ちゃんからのLINE開いてみる。



『明日の夜、前沢係長にホテルに呼び出されました。一緒に来てもらえませんか』


そう書いてて、急展開にびっくりした。


『分かった』


すぐに返信しておく。


明日、決定的な証拠掴んだら、
もうこの問題も解決や。

佐和ちゃんとの個人的な関係にも、
終わりが来ると思うと、ほっとしてる。


カラダだけなくて、
Aの気持ちが欲しい。

俺に夢中にさせたい。


大倉に向けるような、
あんな恋する目で、
俺を見つめて欲しいねん・・・

１８→←１６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す