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マルと飲んで憂さ晴らしするつもりが。


一杯目で、


「そういや、この前、
Aちゃん、見かけてん。
まあこの前言うても、
ひと月ぐらい前やけど。
彼氏とおってびっくりしたわ。
俺はてっきり、
お前と付き合うてるんやと思ってたから」


いきなり振られた話題があいつの話。


「その彼氏、俺が紹介してん。
俺らは昔から何もないから」


大学時代、何回か同じ会話したよな。

俺とAの間には、
男と女とかそんなん、全くない。

男同士よりも気楽な、親友。


「何もないって、それはお前の側だけで。
あの子は最初から大倉のこと、
めっちゃ好きやったやんか。
Aちゃん、めっちゃ綺麗になってたしさ。
なんだかんだ、最後には、
二人がくっつくんかなあて」


「なんやそれ。
勝手に人の将来、決めんなや」


「あの子、一途やったやんか。
あんなに好きになってくれる子、
なかなかおらんで」


俺はあいつの気持ちに気付いてたくせに、
ずっと傷付けてきた。


その報いなんかな。


「もう他の男のもんや。
そいつにベタ惚れしてるわ」


言うてて、虚しい。


「逃がした魚、大き過ぎたな」


他人事や思って、マルのやつ、腹立つわ。



悪酔いして、寮に帰ったんは、深夜の1時過ぎ。


二人を避けるために外で暇つぶししてたのに、
タクシー降りたら、

ちょうど、
亮ちゃんのでかい車が、
寮の駐車場に停まったとこで、
また鉢合わせしてもうた。


「大倉、遅いな。
今帰りなん?」


先に運転席から亮ちゃんが降りてきた。


「久々に大学ん時の友達と飲んでて・・・」


答えて、ちらっと助手席を見たら、
Aがすやすや眠ってた。


可愛ええ・・・


「あいつがドライブ行きたい言うたくせに、
帰り、寝てもうてん。
大変や」


亮ちゃんが助手席のドア開けて。

起こすんか思ったら、


「A、ついたで。
つかまり」


寝ぼけてるAを、
お姫様抱っこしてやってるねん。


Aが幸せそうに、
亮ちゃんの首に腕を回した。


俺は何をこんなとこで見てんねん。


胸がズダズタになるだけやのに・・・

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yume.no.(プロフ) - 更新ありがとうございます!もうすでに切ないですねー( ; ; )両方楽しみにしてますね♪ (2018年5月21日 17時) (レス) id: 716f977705 (このIDを非表示/違反報告)
マッキー(プロフ) - おお!両方めちゃ嬉しいです!楽しみにしていまーす! (2018年5月21日 13時) (レス) id: 91ea55fdc2 (このIDを非表示/違反報告)
にゃー(プロフ) - うわぁ!本当に両方書いて頂けるなんて、嬉しいです。楽しみにしています( ´ ▽ ` ) (2018年5月21日 12時) (レス) id: 28eb8ac8ae (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - やっぱり、僅差だったんですね〜(*^▽^*) 両方書いていただけるなんて…ありがとうございます、楽しみにしてます♪ (2018年5月21日 12時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
You∞(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみに読ませていただいています。私は、大倉さんとのラストが読みたいです。 (2018年5月19日 22時) (レス) id: d4e699acfa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2018年5月1日 9時

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