検索窓
今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:10,181 hit

男嫌い=女嫌い ページ40

「……起きなさい、眠り姫」

こんな声が暗闇の中で聴こえた。重い扉をこじ開けるように目を開く。

「……うわっ!?」

魔王の顔がすぐ近く、真っ正面に現れた。いつの間にか城の中に戻されたようだ。コジャレた部屋の小さな机の上には、私がまとめておいた荷物がポツンっと置かれていた。
だが、それよりも……その綺麗な顔を安売りするようなことはしないでくれ。まして、私は男に慣れてないんだから。

「君の欠点を君自身は考えたことがあるかな?」

魔王が私から離れて質問してきた。人差し指を立て、いかにも『質問しよう』という顔で私を見ながら。

「欠点って言われても……はっきりしてる欠点はあるかな?」

「ほう、それはなんだね?」

魔王は感心するかのような声と目の開きを私に表し、また質問をしてきた。

「知らないうちに暴走するところかな」

そう言ってみれば、彼は少し残念そうに首を横に振る。彼の考えは違うらしい。

「あ、あとひとつあるや。私ね、男の人から嫌われやすいんだ。性格キツいって言われたこともあったぐらいだし……」

もうひとつの欠点を言ったとき、彼は驚いたように目を開いた。

「大したものだな。大抵ここに来る人は自分の本当の欠点には気付きにくいものだが……」

独り言のように、歩きながらぶつぶつと何かを言う。

「じゃあ、もうひとつ。なんで欠点に気付いているのに治さないのかな?」

彼は何でもないような顔で聞いてくる。確かに、私はなんで欠点を治さなかったんだろうか。トラウマがあるからだろうか。それとも恐怖心?人を傷つけやしないか?
だけど、私は私自身は『他人を気にするようなお人好しでは無い』ということぐらい自分でも分かる。そう、『他人』は関係ないの。
となるとひとつだけ心当りがある。

「偽パパ……かな。あんなシーンを見せられたら、男への信頼は無くなるよ」

「パパというより、その男に釣られた女性ではないかな?」

意外な答えが返ってきた。まるでパパは間接的な理由であるとでも言いたげだ。

「そう、君の義理のパパが、直接『男嫌い』に繋がっている訳ではないはずだ。女たちの堕落ぶりを見て『ああなりたくはない』と思うようになったのではないかな?」

言われてみれば、その通り。朝まで騒いで、品なく笑って、ゴミをぶちまけたまま、おぼつかないような不安定な足で帰っていく。中にはヤクでもやってそうなイカれた目付きの女もいた。
それが心底不快だったんだ。

傲慢で対抗する→←リストの本心



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 6.5/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:ファンタジー , 恋愛 , パラレルワールド , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

all-A(プロフ) - cherrycherryさん» cherrycherryさんに依頼をして良かったです!ありがとうございました!あと、FBでずっと名前を間違えてました、ごめんなさい!!スライディング土下寝をして謝罪致しますo=__ (2018年6月30日 23時) (レス) id: 2088fb1627 (このIDを非表示/違反報告)
all-A(プロフ) - cherrycherryさん» 今まで指摘されなかった箇所を指摘していただいたので、更に成長できそうな気がしました(成長してみせます!)誤字脱字をまずどうにか直しますw地の文についてがなかなか難しそうだなと思いました。。。工夫する方法を模索しながら少しずつ直していきます! (2018年6月30日 23時) (レス) id: 2088fb1627 (このIDを非表示/違反報告)
cherrycherry(プロフ) - 誤字です。なんだか小説の醍醐味をし無して→小説の醍醐味を無視して です。失礼致しました。 (2018年6月30日 23時) (レス) id: 988260ed02 (このIDを非表示/違反報告)
cherrycherry(プロフ) - シンプルな文章から挑戦してみて下さいませ!以上を持ちまして私からのアドバイスを終了させてもらいます!これからも更新頑張って下さいね! (2018年6月30日 23時) (レス) id: 988260ed02 (このIDを非表示/違反報告)
cherrycherry(プロフ) - と思います。作者様は物語の構成がお上手だとお見受け致しましたので、そこをクリアして貰うとぐっとより良い作品に仕上がるのではないでしょうか?(*¨*) あとは比喩表現などを駆使し、文章に強弱などを付けるなどの技もありますが、まずは混乱を避けるためにも (2018年6月30日 23時) (レス) id: 988260ed02 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Olivie x他1人 | 作者ホームページ:https://m.facebook.com/profile.php?ref_component=mbasic_home_header&ref_page...  
作成日時:2017年4月6日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。