度胸?何それ美味しいの? ページ28
「オバケなんてないさ、オバケなんて嘘さぁ……」
頼りはランプの灯火ひとつ。自身で歌を紡ぐが……オンチであることもあり、テンで慰めにも話にもならない。
驚かされる音もない。だが、無音が怖い。この際、大きな怖い顔が現れる某ホラーゲームの音楽でも構わないから流れてきてほしい。
自他共に認めるヒビリだった私は、未だに一歩も動けていない。踏み出したくとも、足がガクガクと震え、思うように動いてくれない。
後ろの扉を開けようとしても、開いてくれない。先に進むしかない、ということは分かる。けど、それでも足は重いまま、動いてくれる気配が無い。
しかし、人間というものは不思議なものである。何かのキッカケで先入観というものが一気に吹き飛ばされる。私の先入観は「足が重く動かせない」というものであるが……
「ぎゃああああああ!!」
たった今、足は嘘みたいに前へ前へと突き進むようになった。私はその間、発狂している。
真後ろの扉がいきなり音をたてて、動き始めれば、驚かない訳がないだろう?
というわけで、否応なしに歩くことになった。建物自体はレンガづくりのようだ。ランプに照された床しか見ていないため、勝手にそう思い込んでいるだけだけど……
無音の中に私の足音が響く……ああ、某ゾンビゲームのワンシーンを思い出す。まさかゾンビが出てきやしないだろうな……?
と、思っていた矢先。ランプの灯火が消えた。『ひっ……!』と、奥から悲鳴が出てくる。耳にはパイプオルガンとオルゴールの音が遠くに聴こえる。
ここでアミの言葉がよぎった。
「蝋燭の火が消えて、音楽が聴こえてきたら合図」
魔王まであと少し……ということだ。早く恐怖から抜け出したい一心で思わず走ってしまう、ランプを投げ捨て耳を塞ぎながら。
「痛っ!」
……足の小指をぶつけた。猛烈に痛い。足とぶつかったものは……
「あー、せっかくの紅茶がもったいない」
西洋にありそうなお洒落な猫足っぽいテーブルだった。そこには、あの大きな女の人、ユウさんと……
……銀髪で黒い服を着た男がいる。こいつが魔王なのだろうか。
冷や汗を拭うために頬を手のひらで擦る。必要以上に濡れた手のひら……泣いていたようだ。
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all-A(プロフ) - cherrycherryさん» cherrycherryさんに依頼をして良かったです!ありがとうございました!あと、FBでずっと名前を間違えてました、ごめんなさい!!スライディング土下寝をして謝罪致しますo=__ (2018年6月30日 23時) (レス) id: 2088fb1627 (このIDを非表示/違反報告)
all-A(プロフ) - cherrycherryさん» 今まで指摘されなかった箇所を指摘していただいたので、更に成長できそうな気がしました(成長してみせます!)誤字脱字をまずどうにか直しますw地の文についてがなかなか難しそうだなと思いました。。。工夫する方法を模索しながら少しずつ直していきます! (2018年6月30日 23時) (レス) id: 2088fb1627 (このIDを非表示/違反報告)
cherrycherry(プロフ) - 誤字です。なんだか小説の醍醐味をし無して→小説の醍醐味を無視して です。失礼致しました。 (2018年6月30日 23時) (レス) id: 988260ed02 (このIDを非表示/違反報告)
cherrycherry(プロフ) - シンプルな文章から挑戦してみて下さいませ!以上を持ちまして私からのアドバイスを終了させてもらいます!これからも更新頑張って下さいね! (2018年6月30日 23時) (レス) id: 988260ed02 (このIDを非表示/違反報告)
cherrycherry(プロフ) - と思います。作者様は物語の構成がお上手だとお見受け致しましたので、そこをクリアして貰うとぐっとより良い作品に仕上がるのではないでしょうか?(*¨*) あとは比喩表現などを駆使し、文章に強弱などを付けるなどの技もありますが、まずは混乱を避けるためにも (2018年6月30日 23時) (レス) id: 988260ed02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Olivie x他1人 | 作者ホームページ:https://m.facebook.com/profile.php?ref_component=mbasic_home_header&ref_page...
作成日時:2017年4月6日 23時