霊柱は胡散臭い 伍【鬼滅の刃】

百七十二話 真実 ページ5

「まさか！死んでないよ。彼女は俺の中で永遠に生き続ける。」



伊之助の問いかけが聞こえたのか、上弦の弐である童磨は大きく手を広げて朗らかに語り出す。




「俺が喰った人は皆そうだよ。救われてる。もう苦しくない、つらくもない。俺の体の1部になって幸せだよ。」

「そんなわけあるか馬鹿。」





刀を鞘から抜いて構える。
カナエさんは殺されて幽霊になってからもこの鬼を同情し涙を流していた。

不謹慎だがあの人がこの鬼に殺された理由が分かる。




「優しすぎたんだよ。」



こんな鬼にかける同情も慈悲も微塵も無い。






―――――――霊の呼吸 参ノ型


――――餓鬼六道(がきろくどう)




「ハハッ！久しぶりだね太刀川くん。またオカルト技沢山見してよ！呪術？っやつも苦しかったけど中々癖になりそうだよ。」

「うるせぇ。」





コイツに前かけたのは童磨に殺させた人々の恨みをぶつけたもの。それを癖になりそうだとかほざきやがって。




「咬み殺してやる塵が」





伊之助の無茶苦茶な太刀筋の攻撃が童磨に襲いかかるが奴の余裕は崩せない。


それどころか伊之助の被り物は取られ、童磨はかつて伊之助とその母に会ったと確信している。

それすら気にせず再び攻撃を仕掛ける伊之助だが返り討ちに合う。




「不幸だよねぇ琴葉。幸せな時ってあったのかな？何の意味もない人生だった。」

「いい加減にしろ!!下衆が!!」

「お前ごときが他人の人生のことを語んな。」




睡蓮の咲き乱れる水の中に手をついた伊之助がゆっくりと立ち上がる。





「本当に奇跡だぜこの巡り合わせは―――」


バシャリと水を鳴らして伊之助を怒りの形相を浮かべて童磨を睨みつける。





「謝意を述べるぜ思い出させてくれたこと。ただ頸を斬るだけじゃ足りねぇ！！テメェには地獄を見せてやる!!」






―――――――――――伊之助の猛攻が始まる

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