霊柱は胡散臭い 肆【鬼滅の刃】

百五十九話 微妙な挑発 ページ25

――――柱稽古。

まずは宇随天元による"しごき"。基礎体力向上から始まり甘露寺蜜璃による地獄の柔軟。
時透無一郎による高速移動の稽古。

伊黒小芭内による太刀筋矯正。太刀川Aによる反射神経強化と防御。不死川実弥による無限打ち込み稽古。
最後に悲鳴嶼行冥による筋肉強化訓練である。



そして現在、伊黒によるとんでも稽古を終えた隊士達は地獄を見ていた。





「おら、こんな攻撃も反応出来ねぇのか！」

「ブベッ！」





またもや隊士が反応しきれずぶっ飛ぶ。

霊柱、太刀川Aによる訓練はひたすら死角からの攻撃を避け、防御すること。

鬼からの攻撃は一撃でも喰らえばそれは大きなダメージとなる。ならばそれを避け、もしくは防御して反撃の隙を探すのが勝利の鍵となる。





「良いか！俺の攻撃10発モロにくらった奴はもれなく全員"お仕置"だ。それが嫌なら全て避けて反応しろ！」

「いっ、痛い……」

「関節全部外れそう……」





稽古場、変死体が大量発生。

ぶっちゃけ柱稽古は段々厳しさがエスカレートしていくがここでも案の定。身体中ボロボロである。
しかもこの男、太刀川Aは胡散臭いが死ぬほど顔が良い。なので彼からのお仕置や一方的な暴力に新たな扉を開ける隊士も少なくない為、ある意味1番恐ろしい訓練である。




「五感を全て研ぎ澄ませ。そして僅かな風の流れと殺気を察知しろ。お前らがどんなに辛かろうが鬼はお前たちの死角から攻撃をする。」



竹刀を構え直したAは倒れる隊士達を仁王立ちで見下ろす。

霊柱は気配の隠し方が上手くそれは柱で一番と言っても過言ではない。
先程まで目の前にいたこの男が一瞬で消える現象に一般隊士はまるで歯が立たなかった。





「俺と勝負しやがれ！お化け野郎！」

「来たな。問題児ビースト」




バァァアン！と、稽古場の戸を荒々しく開けてやって来たのは伊之助。
そして倒れまくってる隊士を一瞥して声を発する。






「なんだテメェら。無様に這いつくばりやがって。ハハッ、情けねぇ！」

「イライラ製造機もここまでくるとただの公害だな。」



伊之助の発言を聞いて、青筋を浮かべる倒れた隊士を見てAは苦笑をこぼした。

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