【五条悟】メンヘラ五条悟と別れようとする話。

#3.執着と私情という話。 ページ4

私は高専内の事務室で、自分のスマホの画面を睨んでいた。開いているのはメールアプリ。
昨日の夜から鳴り止まない通知の嵐でろくに眠れなかったため、私は今朝から頭が痛い。

＿A
＿A、A
＿返信して
＿さようならなんて言わないで
＿A
＿ごめん
＿A
＿今どこ？
＿A
＿(不在着信)
＿(不在着信)

私の目に映るメールは、全て五条さんから送られてきたものだ。
いっその事「うるさい」とでも送って静かにしてやろうか。
少しだけそう思ったが、送ったら送ったでまたメールが送られてくるだろうし、今より余計に面倒臭くなる。
私ははぁ、とため息をついてスマホをズボンの後ろポケットに入れた。

『………』
「Aさん、どうかしたんですか？具合が悪そうですが…」
『…なんでもないです。伊地知君、五条さんに呼ばれているのでは？』

そう私が言うと、伊地知君は真っ青な顔で事務室を出た。
私は、彼に具合の心配をされるまで疲れているように見えたのだろうか。

『……はぁ。』

仕事に私情を挟んではいけない。
私はこめかみを軽く手で押えて、パソコンの電源を入れた。
伊地知君は頑張りすぎているから、私も手伝わないと。
伊地知君のデスクにある書類を何枚か手に取り、私はその書類に書かれている内容についてまとめたデータを作るため、キーボードを叩き始めた。

#4.憂鬱と運転手という話。→←#2.ストーキングと縋りの話。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す