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#16.紅茶に浸る思い出という話。 ページ20

当然の事ながら、私が五条さんと初めて会ったのは高専1年生の頃だった。


傍若無人だが、呪術師としては優秀な彼に苛立ちを覚えたのは、一つや二つどころではなかったと思う。(現在もだが)
そのため五条さんより社交性もあり、協調性もあり、そして紳士的な夏油傑先輩を尊敬するのはほぼ当たり前だった。

「悟は勿論だけど、私としてはAはとても優秀な呪術師だと思うよ」
『…そう……ですか?ありがとうございます』

だからその夏油先輩に褒められるのは、当時はとても嬉しかった。
高専の談話室で、夏油先輩に確かにそう言われた。
あの嬉しさは、そう。卵を割ったら黄身が二つ入ってた時の嬉しさに似ている。
冷静さを振る舞いながらも、内心沸いていた私に、夏油先輩は驚きの発言をした。

「君のことが好きなんだってさ、悟」
『…私に言ってますか?それ』
「勿論だよ」

五条先輩がどうして、と狼狽えていた私を見て、夏油先輩は可笑しそうに笑っていた。

『からかってますか、私のこと』
「まさか。私が言っているのは間違いなく真実だよ」
『だって、そんな。五条先輩が私のことを好きになるはずありませんよ。前だって…先輩、お見合いの予定が最近多くなったって、言ってました』

そう言うと、話を振ってきたくせに夏油先輩は興味無さそうに「へぇ」と返事をした。

『どうでもいいと思ってますよね』
「思ってるけど、重要な事だとも思ってるよ」
『何が重要なんです』
「だって悟だよ?あの面倒臭い性格の悟が…あぁ、本人には言わないで欲しいな」

「分かりましたから」と言って続きを促す。

「悟が、勤勉で真面目なAと付き合って、仮に結婚したら…と考えてみると、私はとても嬉しい気持ちになるんだ。Aにとってはイマイチかもしれないけど、私にとっては重要なことなんだよ」
『そういうものですか』
「そういうものだよ。特に悟相手ではね」

「またね」と言って、確か夏油さんは任務へ行ってしまったと思う。



今も昔も、五条さんは悪い意味で変わっていない。
五条さんからのメールが来ないからか、何か知らないが、さっきから胸の辺りが痛い。心臓が締め付けられる感じだ。

『…お昼ご飯、買いに行くか。ペットボトルに入ってる紅茶が美味しいって、新田さんが言ってたし』

私は思い出に浸るのを辞め、お昼ご飯を買うためにコンビニへ向かった。

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ゆず - すごく面白かったです!五条先生のキャラ大好きです!!可愛い、、。。これからも頑張ってください!楽しみにしてます。 (2021年8月27日 10時) (レス) id: 1d00ea1521 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - やったー!!!終わってなかった!めっちゃ嬉しいです!!これからも少しずつでもいいので更新していただけると嬉しいです!! (2021年7月7日 18時) (レス) id: d584864077 (このIDを非表示/違反報告)
カリム - ああ、もう可愛いに尽きる!でも、実際のメンヘラってこんなんじゃないからなー…。 (2021年5月9日 20時) (レス) id: 5e613c85e2 (このIDを非表示/違反報告)
メダカ - 完結とは? (2021年3月27日 0時) (レス) id: 62c4138a68 (このIDを非表示/違反報告)
あみん(プロフ) - お、終わり…!?続き待ってます…!!(;_;) (2021年3月21日 11時) (レス) id: ace2dffc29 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のあ猫 | 作成日時:2020年12月20日 17時

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