【五条悟】メンヘラ五条悟と別れようとする話。

#10.メンヘラという概念の話。 ページ12

『大体、“元”交際相手と別れたくらいで死ぬなんて。』
「“元”じゃないし。あと、世の中にはいっぱい居るからな？僕みたいに別れると死んじゃうやつ。」
『…命は大切にすべきものです。
好きが成立しなくて死ぬというのは私からしたら理解出来ません。』
「でもさ、それくらい切羽詰まってんだよね。僕もそうだし。
世間一般では通用しないかもしれないけど、僕らからしたら当たり前なんだよ。」

そういうものでしょうか、と私は何でもなく言った。
だが、彼の意見も最もだと思う。世間一般では認められなくても、ある集団等によっては認められ、受け入れられる。
だが、それと食事は通じ合うものは無い。私はお腹に手を添えて、歩みを止めた。

『というか五条さん。今から何を食べに行くんですか？』
「寿司食べに行くよ。Aは嫌いじゃなかったよね、寿司。」
『まぁ…そうですね。嫌いではないです。』
「良かった。じゃあこっちだから。」

そう言われて手を握られる。きょとん、としていると突然五条さんは後ろを振り向いて歩き始めた。

『(道を通りすぎたのなら教えてくれればいいのに。)』

通行人の視線が突き刺さったが、私は何でもない顔で五条さんに引っ張られながら歩いた。

#11.七分の一という話。→←#9.忍耐力と厄介という話。

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