#9.忍耐力と厄介という話。 ページ11
時刻は午後六時を回った。その後、五条さんとは特に何も無く過ごしていたが、一時間前に連絡が来た。それは一緒にご飯を食べに行かないか、という内容だった。
どこに行くんだろう。まぁ、高級な料理屋であることは間違いないだろうな。
そう思いながら、少しだけ北風が吹いた銀座駅の前で待っていた。ここが待ち合わせ場所らしい。
『………何日、持つでしょうね。』
私は手を口元に持っていき、そう呟いた。彼は何日持つだろう。浮気されたとしても、もう涙は出ないだろうな。
浮気されたら、「ああ、またか。」で終いだ。ただ、本当に彼が一週間耐えたら私はどうするだろう。彼とまた付き合うのだろうか。だが、一週間耐えられるとしても、その後はきっとまた浮気するだろう。
そんな事を考えていると、後ろから誰かに抱きしめられた。
「A、お待たせ。ごめんね、遅くなっちゃった。」
『いえ…それよりも、本当に来たんですか。驚きです。』
「そんな風に思われてたの？今ここで駄々こねるよ。」
『すみません。早く行きましょう。』
流石に大の大人にここで駄々をこねられるのは困る。ここは人通りも多いから色々な人に見られるだろう。
待って、という五条さんの静止の声を無視して、私は足早に歩いた。
「待ってってば。置いてかないでよ。」
『知りませんよ。ただ、知り合いだと思われたくないんです。良くも悪くも五条さんは目立ちますから。』
「まぁ、僕レベルのイケメンは歩くだけでも視線を集めちゃうからね。」
『……………ウザ。』
「えっ、ねぇA。ウザって言ったの！？ねえ！」
ため息を吐きながら、チラッ、と横目で歩行者を見る。
先程言った私の言葉は虚言ではない。実際周りを歩いている人達は、皆五条さんに目線を奪われていた。
そしてその目線を集めていた五条さんを見ると、私は驚いたというか呆れた。
『いつまで泣いているんですか。七海に罵倒され慣れてるでしょう。』
「他の男の名前出さないで。僕、嫉妬で死んじゃうよ？」
『それなら即刻別れた方がいいでしょうか。』
「Aと別れたら死ぬから。」
面倒臭い。
#10.メンヘラという概念の話。→←#8.驚きと呆れという話。
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ゆず - すごく面白かったです！五条先生のキャラ大好きです！！可愛い、、。。これからも頑張ってください！楽しみにしてます。 (2021年8月27日 10時) (
レス) id: 1d00ea1521 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - やったー！！！終わってなかった！めっちゃ嬉しいです！！これからも少しずつでもいいので更新していただけると嬉しいです！！ (2021年7月7日 18時) (レス) id: d584864077 (このIDを非表示/違反報告)
カリム - ああ、もう可愛いに尽きる！でも、実際のメンヘラってこんなんじゃないからなー…。 (2021年5月9日 20時) (レス) id: 5e613c85e2 (このIDを非表示/違反報告)
メダカ - 完結とは？ (2021年3月27日 0時) (レス) id: 62c4138a68 (このIDを非表示/違反報告)
あみん(プロフ) - お、終わり…！？続き待ってます…！！(；＿；) (2021年3月21日 11時) (レス) id: ace2dffc29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のあ猫 | 作成日時：2020年12月20日 17時
