並行世界のお話 ページ6
『加護を受けた人間…』
「物理演算が機能しなくなり、また少女が持つ能力によって、魔法が生まれた世界であった。少女は、宇宙でも指折りの魔法使いであった」
『魔法』
「うむ」
『それって、少女が初めからその魔法の能力を持った人間だったの？』
「違う。もっと別の能力を持った者だ」
『へぇ』
「少女は、愛した人間に加護を与えた。それは、自らを嫌い、危険視する者から自らを、そして愛した人間を、ひいては地球を守るため」
『…その少女って、相当とんでもない人なのね』
「…その少女が使っていた武器が、今お主が持つそれだ」
『へ？』
「え、ちょっ、ちょっと待って？まず何で武器が未来から来たん！？」
「並行世界」
『は？』
「少女は、強大な敵…宇宙の管理者と戦った。少女は唯一無二の能力を持っていたから」
『宇宙の管理者…？』
「うむ、しかし、その管理者を倒すと宇宙は滅んでしまう。なぜなら、管理者の力によって宇宙は形を保っていたから」
『…でも、倒すしかなくなった？』
「ご名答」
「…でも、宇宙が滅びたんなら、なんでこの刀が残ったん？」
「その刀には、強い加護が掛けられている。宇宙が滅ぶ時に、次元や世界線が混ざり合い、様々なものが消滅したが、この刀は、この世界線に辿り着いた」
『はぁ』
「所でお主ら、
夢は見なかったか？」
『「！？」』
『その夢が、何か関係あるの？』
「当然。その夢は、次元と世界の狭間に飲み込まれた少女達の記憶だからな」
「…は」
『記憶…！？』
「うむ」
「…おじさん、さっきから少女だけ特別扱いしてるようにも見えんねんけど」
「それはな、その少女が「地球の管理者」だからだ」
『…もしかして』
「その記憶や能力を引き継いだのが其方だ」
「！？」
「付け加えると、若造、お前も加護を受けた人間の一人だ」
「だとしたら、他の、加護を受けた人間は…？」
「面白いことに、出会っているようだがな」
『…夢を見た人間』
「そういうことだ」
「あいつか！」
『うん』
「…こればかりは運だった。一生これに気づかずに生涯を終える者があれば、逆に生まれてすぐ気づいたが数ヶ月で殺される者もあった…」
『…想像以上の幸運だったんだね』
「おん…」
『ところで、何故蝶がこんなにも？』
「蝶は唯一、彼女が預かり知らぬ所で生まれ、なおかついたく気に入った存在だからだ」
『…バグ？』
「そんな所だ」
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青緑柱石(プロフ) - 更新滞ってるけど許して…許して… (2021年5月3日 10時) (
レス) id: 376185607b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青緑柱石 | 作成日時：2021年2月21日 13時
