【d!】×【○○】私、貴方と会ったことないけど。(zm) (ページ4)

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雨ページ4

更新遅くなって申し訳ない…忙しかったんです

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慟哭が夜の森に響いた。

『ユズハ…ユズハっ！！』

繰り返し妹の名前を呼ぶ彼女の目からは、大粒の涙がとめどなく流れていた。

彼女が抱きしめていた妹の身体には、黒い蝶が集まってきている。かと思うと、その身体は淡く光を纏い、足の方から消え始めた。

『蝶…？ねぇ、蝶、やめて』

蝶は、何かを食しているように、その身体に留まっていた。

みるみるうちに妹の身体は消えて、彼女は力が抜けたように座り込んだ。

『ユズハ……』

無数の蝶のうち1匹が、ふらふらとどこかへと飛んで行く。

『ぅ、あぁぁぁ』

絶望にも似た声を上げて、彼女は再び涙を流した。
そりゃあ絶望もする。あれだけ気にかけていた妹を、自分で殺めたのだから。

痛む身体を動かして、彼女のもとへと歩いた。

『ゾム…』

「……」

『…大丈夫？』

「おん」

むしろ、と続けようとしたが、やめた。これ以上は、何を言っても彼女を傷つけてしまうから。

彼女は涙を拭く素振りも見せずに、怪我の手当をし始めた。

「…おいで、A」

『…うん』

そっと背中に手を回して、頭を撫でる。

今更のように、雨が降り始めた。

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Aside

しとしとと雨が降る深夜。

コンクリート製の小屋の隅に2人でいた。

涙は先程から止まる気配を見せていない。

「…ごめんな」

ぽつりとゾムが呟く。それに顔を上げる気力も無くて、次の言葉を待った。

「…俺が、もっと強かったら」

2人とも守れたな、とゾムが言った。

『…そんなこと、言わないでよ』

「…せやな、悪い」

『…今は、』

いっしょに、いて。

「…おん」

結局、夜はほとんど眠らなかった。

朝食(ほとんど喉を通らなかった)を済ませて、報告を済ませたら、1匹の蝶が飛んできた。

『どうしたの？』

ずっとふらふらと飛んでいたが、指を掴んで引っ張るような仕草を見せたので、ようやく意味が分かった。

『…ついて来てってことなんだね』

「何や？」

『蝶が、ついて来てって』

「…行ってみるか」

黒い蝶が運んできたのは、幸運か不幸か。

それが、痛いほどの不幸でないことを願うばかりだった。

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蝶には意味があるそうです。興味がある方は調べてみてください。オカルトじみてますが中々面白いですよ。