似合う？ ページ35
レ「そう言えば、前髪は切らないのかい？」
「！！」
こんなに美人なんだ。
隠しておきたいが、それは勿体ない。
『顔さらせる自信がないんです…』
レ「それはどうして？」
『私、皆みたいにかわいくないですし…目の色も周りと違うから気味悪がられるかなって』
レ「それは思い込みだ。見違えるほど美人になってるぞ、A」
まさかそんな心配をしていたとは。
自分の顔を知らないらしい。
『そんな事…。』
レ「あるんだがなぁ。…私は顔が見える女性が好みだな。より一層美人に見える！」
「！」
食いついてくるか？
「…。」
―――
レイリーさん、顔見える方が好きなんだ…
でもそれもそうだよね。顔見えないとどんな人か分からないし。
…よし！勇気出してみよう！！
バ「ん？あ！！おかえりA！！それと…」
レ「久しぶりだな！オババ！」
バ「やっぱり来たかい！ほらほら上がんな、今日はご馳走様だよ！」
家に着いてみればおばあちゃんがすでに居間を広げて歓迎モード。
中に入ってすぐおばあちゃんに『ちょっと出てくる！』って告げて私はもう一度家を出た。
バ「？？なんだい、珍しい。」
―――
それから小一時間。
私は前髪をバッサリ切ってもう一度家路についていた。
「(大丈夫かな…似合うかな…)」
初めてさらす顔にドキドキしながら街を歩く。
人の視線がすごく気になって余計に脈が早くなっちゃった。
「(あ、おうち着いた。)」
すー、はー。
って大きく深呼吸をして。
よしっ！
ガチャッ！！
バ「あっ、帰ったのかいA！どこに行ってた…おぉー。かわいいじゃないか！」
『ありがとうおばあちゃん！レイリーさんがね、顔が見えた方がいいって…』
バ「そうかいそうかい！そんじゃぁ早速見せてきたらどうだい？」
『うん！』
おばあちゃんは可愛いって言ってくれたけど、皆はどうだろ？
こんなに前髪短くするなんて初めてで…
変じゃないかな？？
トントン！
レ「ん？Aか！何をしているんだ？入ってきなさい。」
あぁぁ！緊張するっ
「ソ…))グイッ！！っ！？」
扉の隙間からソッと覗いてみる。
そうすればレイリーさんが私の腕を掴んで無理やり中にいれてきた。
レ「何をそんなに遠慮しているんだ？」
「っ///」
レ「……。」
驚いて顔の赤い私と目が合うレイリーさん。
ギョッとした顔で固まってジィーっと私の顔を凝視してくる。
何か言ってください…
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作者名：あつやき玉子 | 作成日時：2022年8月4日 15時
