声の消えた彼女と黄色い彼 (ページ17)

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親子？ページ17

今私は奇妙な歩き方をしています。

迷子の子供を真ん中に挟んで、片手ずつを私とあの男の人がとって歩いてる。

買い物帰りだった私の荷物はあの男の人が持っていてくれて、まるで家族の買い物みたい。

子「お兄さんおっきー！もう1回ぴょーんってして！」

ボ「元気だねぇ？でもこれで最後だよぉ？やりすぎると肩が外れるからねぇ」

子「うん！」

ぴょーんって。

この男の人が子供の手を上に引っ張って高くジャンプさせてる。

私も小さい時、お父さんによくやってもらってたな…

「(泣き止んでくれてよかったけど。)」

なんでここまでしてついてくるって言ったのかは分からないけど、声が出るこの人が一緒で少しよかったと思ってる。

私だと筆談だからあまり会話が弾まないし。

早くこの子のお母さん見つけて帰してあげないと、お母さんも心配してるよね？

子「ん？あっ！！ママだ！」

ボ「本当かぁい？どこにいるのかなぁ？」

子「ほらあそこ！キョロキョロしてるからきっと僕を探してるんだ！」

本当だ

誰か探してるみたいにキョロキョロしてる人がいる。

子「ママ！」

母「えっ！？あっ！！どこ行ってたの！？」

子「ごめんなさい、はぐれちゃってあのお兄ちゃんとお姉ちゃんが一緒に探してくれたの！」

すごくいい笑顔

お母さんがこっちを見て深々と頭下げてる。

母「この子を届けてくれてありがとうございます！」

ボ「いやぁかまわないよぉ。わっしは海兵だから当たり前だしねぇ」

『今度ははぐれちゃダメだよ？』

子「うん！ありがとうお兄ちゃんお姉ちゃん！」

大きく手を振って帰る親子。

いいなぁ、私もお母さんに会いたい…

ううん、お母さんだけじゃない。お父さんにもお姉ちゃんにも会いたい…

「ｼﾞﾜｧ…))っ。」

ボ「…。」

やだなぁもう、この人がいる前で泣いたら変な人だって思われそう

「…っ。フゥー…」

落ちついて、大丈夫。

私にはおばあちゃんがいるじゃない。

『あの、ありがとうございます。あの子も送れたので帰ります。』

そう書いた用紙を見せて手を広げる。

荷物を返して下さいって意味で手を出したんだけど…

ーガシッー

「！？！」

ボ「君の家までまだ距離があるだろぉ？このまま送ってくさぁ」

なんてまたニコニコ笑顔で私の手を握るこの人。

「(なっ、なんで！？)」

そのままひっぱられて結局一緒に歩くことになった。