溶けてゆく。 (Y.I) ページ13
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放課後。
国語の作文が終わってなくて、
居残りさせられたわたしが向かったのは2年2組。
2年2組にいたのは大好きなあいつ。
そして待てども待てども他に人がこないこの状況。
心臓が持たないのは当たり前かな、なんてね。
「ねぇ、こっちくればいいじゃん」
祐希のことが気になって、
一向に進まない手を見つめていれば噂の祐希の声。
確かに、2人しかいないのにこんなに離れているのは不自然だけど。
わたしから急に近づくなんてできやしなくて。
『、集中出来なくなるからいいよ』
なんてちょっぴり嘘をついてみたけど、
「俺、恋子に作文教えて欲しいんだけど」
なんてお返しのひとこと。
話しただけで高鳴る鼓動は、
祐希の言葉によって更に大きな音を鳴らす。
「恋子がきてくんないなら俺が行く」
そんなセリフを投げかけて、
筆箱やらなんやらを持って隣にやってきた。
ちっちゃい頃からずっとそばにいた祐希が、
いつのまに恋愛対象になってて。
しまいには私が好きになってしまうなんて、
こんなこと想像できなかったけど、
好きになってしまった以上、わたしの負けなのかも。
「ね、恋子?ここはどうやってかくの?」
『ここは、段落に分けて書くんだと思う』
近い。
距離が近い。
今にもくっついてしまうくらいに。
顔立ちは遠くから見ても整ってるのに、
近くで、こんなにも近くで見ればもっと綺麗で。
触れてしまいたい、壊してしまいたい、
そして、わたしのものにしてしまいたい。
『ね、祐希?私にもここ、教えてよ』
本当は教えてもらわなくても分かったのに、
祐希と少しでも多く話したいからって、
ちょっとだけいじわるをしてしまった。
「多分ここは、改行していいと思う」
ほら今だって、いまにも溶けてしまいそう。
祐希はいつも、私の気持ちに気づいてくれない。
祐希はいつも、わたしなんて見てくれない。
『そっか、ありがとう』
「ん、」
そろそろ鼓動が持たないのに、
視線は無意識に祐希の方へ。
合うはずのない目が合っていて、時は止まった。
そして触れ合ったのは、
君のものとわたしのもの。
「ねぇ、好きなんだけど」
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【この関係のように甘く、】
〖 溶けるほどに熱く。〗
掻き消される。 (M.Y)→←甘えるときは。 (Y.I) 1
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恋子(プロフ) - はらさん» 以後注意致します。 (2018年6月8日 17時) (レス) id: de688bc33f (このIDを非表示/違反報告)
はら - 前回も注意されておきながらまた外し忘れでしょうか?違反行為をしているという自覚が足りないのではありませんか?次は違反報告します (2018年6月8日 17時) (レス) id: 6e98ea36ff (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい違反行為です。ルールをちゃんと理解の上作品を作って下さい (2018年6月8日 17時) (レス) id: 6e98ea36ff (このIDを非表示/違反報告)
恋子(プロフ) - あーさん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2017年11月4日 19時) (レス) id: de688bc33f (このIDを非表示/違反報告)
あー - 頑張れ! (2017年11月3日 12時) (レス) id: 147e621a16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋子 | 作成日時:2017年10月29日 17時