煌めき 2 (ページ11)

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「ねえ、」

そう呟いた祐希の顔はどこか悲しげで、
俯きながら続けた言葉も覇気がなかった。

「そんなしょうもない嘘つかないで

　マサさんのものになんかならないでよ」

放たれた言葉に私は答えることができない。

「マサさんのことが好き？

　西田の無邪気さが可愛い？

　関田さんはどんくらい頼もしい？」

畳み掛けられる質問にも答えられずにいた私のiPhoneは
ピコンと音を鳴らして通知を知らせる。

「そのLINEも太志か藍からでしょ」

『ねえ祐希なに言ってるの』

思わず出た強い言葉に祐希は私を見る。
お互いの真剣な目線が交わり、目を離せなくなる。

『意味分かんないよ、急にどうしたの

　誰のものにもならないしなるつもりないし、

　そんなこと考える暇もないくらい

　真剣にバレーに向き合ってるつもりだよ？私』

すらすらと口に出た嘘に、私自身が驚く。
ここ最近の出来事に心が揺れているのも、
そのせいでバレーに対しても上手く向き合えずにいることも、
祐希に言えるはずがなかった。

『私はさ、祐希がちゃんと

　全部説明してくれるまで、待つよ』

今度は、嘘偽りのない言葉だ。
それなのに胸が大きく鳴るのはどうしてだろうか。

「ごめん、A

　明日からもよろしく頼むね」

さっきまでの険悪な雰囲気は、
祐希の柔らかな笑顔によって消え去っていった。

うん任せてと小さく呟いた私に、
歩き出した祐希は振り返って、心臓を2回叩いた。
微笑む彼の顔は私の頭に残像として強く残った。

有志くんAさん、今日のデータもう一回見たいからLINEしてください

祐希の予想は外れてLINEは有志くんからだった。
OKと書かれたうさぎのスタンプを送ってLINEを閉じた私は、
祐希の顔を思い出して泣きそうになった。

それと同時にきちんと待つと決めたはずなのに揺れる心に、
どうしようもない嫌悪感を抱いた。

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