自分の気持ち ページ23
Asaid
君に大好きって言ってもらえて素直に嬉しかった
今までそんな言葉言われたことないから
でもそう言われた時になんていえばいいのかわからなかったから何も言えずに君が退院する日になった
今までたくさんのものが置いてあった君のベッドは抜け殻のようになっていた
サッカーボールやサッカー関連の雑誌
君が本当にサッカーが好きなんだなってこの約1ヶ月間実感した
どんなときもそばに君がいてくれて
どんなときもあたしに寄り添ってくれて
助けてくれて
君には感謝し足りない
今までの子達のようにもう二度とここには来ないかもしれない。
もうこれから先会えないかもしれない。
…いや、会えない。
だってあたしはここから出ることが出来ないから。
1度でもいいから君のサッカーをやってる姿見てみたかったな。
これまでの君とのここでの思い出を思い出していたら頬を涙が濡らした
あれ、泣くつもりじゃなかったのに。
静かに涙を流した
奈々「Aちゃん！急いで！今日は特別！」
慌ただしく入ってきた奈々ちゃんはあたしの腕を掴んで病室を出た
A「ね、奈々ちゃん？どこ行くの？」
優しくあたしの腕を引いてくれる奈々ちゃんにあたしは聞いた
奈々「外、出てみたくない？」
奈々ちゃんが悪い顔しながらニヤニヤしてきた
外に出れるの？
あたし今から外に出れるの？
A「そ、と。出たい！！」
外に出ることが何よりも嬉しかった
あっという間にドアの前に着いた
ドアの向こう側には1台の車
そこに見えたのは君の姿だった。
君のお母さん達がお世話になった先生達にお礼を言っていて君は車から顔を出してる状態だった
A「涼介…」
奈々「ほら、行こ？」
奈々ちゃんがドアに近づくとドアが開いた
あたしは意を決して病院と外の境目を跨いだ
涼介「A！」
あたしを見つけるなり車から降りて来てくれた君
涼介「来てくれてありがとう！奈々ちゃんも俺のわがまま聞いてくれてありがと」
わがまま？
あたしはなんのことか分からないままずっと立ちつくしていた
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作者名：るるろろ | 作成日時：2019年3月28日 19時
