告白その23 ページ24
*
あのあと、両親に学校のことをたくさん話した。
最初はぎこちなかった空気感も、別れるときには元通りに近かった。
今度はお姉ちゃんも一緒に話そうねと笑い合い、手を振って別れる。
「A…ありがとう」
少し離れたところにいるお母さんが、私を振り返って笑った。
私も笑い返して、さっきお母さんに言った言葉を思い出す。
「お母さん、私はあのときお母さんを許せなかった。でも、あるクラスメイトのおかげで…気付いたの」
息を置いてから、しっかり言った。
「あのときがあったから、私は今幸せなの。だから、今はお母さんのことちゃんと許せる」
お母さんは少し驚いたように目を見開く。
「お母さん、ありがとう。ずっと私のお母さんでいてくれて、ありがとう」
あのとき、お母さんが怒るようになったとき。
お母さんが、私にご飯を作らない日はなかった。
洗濯物も家族全員の分をしっかりやってくれていた。
ずっと、ちゃんと私の「お母さん」だった。
それを今更思い出したんだよね。
ついこの間轟くんと歩いた道を1人で歩く。
なんだか少し肌寒くて身震いした。
上着、持ってくれば良かったな。
そしたらきっと、こんなに寒いはずないのに。
「くしゅん!」
早く帰ろう。
みんなが、轟くんがいる場所に。
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婾纚儺 - ほっこりホコホコ (2018年12月2日 8時) (レス) id: abf7718af2 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - メダカさん» ほっこりしていただけたのならとても嬉しいです!コメントありがとうございます! (2018年8月25日 22時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
メダカ - 番外編も可愛かったぁ〜(*´∀`*)ほっこり(*´`*) (2018年8月25日 18時) (携帯から) (レス) id: 238af52e71 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - 杏さん» わかりにくくて申し訳ありません!もともと急須にお茶が入ってて、その急須に入っているお茶をティーカップに注いでいるという状況です。 (2018年8月21日 10時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 急須にお茶いれてるんじゃなくて、ティーカップなんですか?? (2018年8月21日 9時) (レス) id: 664b772586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れの | 作成日時:2018年8月19日 21時