告白その1 ページ2
*
なにげなく、本当になにげなく発してしまったあの言葉。
「轟くんってさ、好きな人とかいるの?」
前から少しだけ気になっていた。
別に彼の事が好きな訳ではなかったし、そもそも私みたいなやつが彼のような人を好きになるのは恐れ多い。
ただ、轟くんのようなキラキラした人は、一体どんな人のことを好きになるのかが気になっただけだった。
本当にそれだけだったのに。
「俺の好きなやつは…」
そう言って目を伏せる轟くん。
あ、私なんかが聞いちゃダメだったかな?
「俺の好きなやつは、お前だ」
「え、私?」
思わず自分を指さす。
今私究極にアホな顔してるかも…
って、そうじゃなくて!!
「もしかして罰ゲーム?」
「そもそもそんなゲームしねぇ」
「じゃあ嘘?」
「俺がそんな嘘つくと思うか?」
「お、思いません…」
本当なの?
なんで、私なんか…
「で、お前はどうなんだ?」
轟くんの言葉に冷や汗が垂れる。
そうだよね、告白されたら返事をするのが礼儀…
でも私は、人を好きになったことがない。
多分、人を好きになるのが申し訳なかったんだと思う。
つまり私は、轟くんのことを好きな訳では無いのだ。
でも!
私なんかが轟くんをフるのは申し訳なしいし、だからといって好きじゃないのに付き合うのももっと申し訳ない。
「簡単だろ、好きなのか好きじゃないのかの2択だ」
いやいや簡単じゃないですから!
「でも…」
「わからないなら、わかるまで待ってる」
え、という間もなく額にキスされる。
そう、キスされたのだ。
私の額に、轟くんの唇が…
「どうだ?ドキドキしたか?」
驚きと恥ずかしさで言葉がでなかった。
確かに今、ドキドキしてる。
というか、轟くんにこんなことされてドキドキしない人なんていないと思うのだけれど。
「ドキドキ、しました…」
紅くなった顔を隠すように俯く。
どうしよう、消えたい。
ごめんなさい神様。
私なんかが、轟くんに好きになってもらっちゃってごめんなさい。
でも今、ちょっと幸せなんです。
*
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婾纚儺 - ほっこりホコホコ (2018年12月2日 8時) (レス) id: abf7718af2 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - メダカさん» ほっこりしていただけたのならとても嬉しいです!コメントありがとうございます! (2018年8月25日 22時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
メダカ - 番外編も可愛かったぁ〜(*´∀`*)ほっこり(*´`*) (2018年8月25日 18時) (携帯から) (レス) id: 238af52e71 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - 杏さん» わかりにくくて申し訳ありません!もともと急須にお茶が入ってて、その急須に入っているお茶をティーカップに注いでいるという状況です。 (2018年8月21日 10時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 急須にお茶いれてるんじゃなくて、ティーカップなんですか?? (2018年8月21日 9時) (レス) id: 664b772586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れの | 作成日時:2018年8月19日 21時