告白その3 ページ4
*
お風呂上がり、自販機に行くと見慣れた紅白頭が見えた。
気付かれないように後ろからそっと覗き込むと、轟くんの指が緑茶と梅ソーダのボタンの前を行き来している。
なんか渋いなぁ。
結局押したのは、緑茶のボタンだった。
ガタン、と音を立てて緑茶を出した自販機。
ペットボトルを持って後ろを振り返った彼が、「お」と驚きの声を漏らした。
「A、いたのか」
「うん。お風呂入ったら喉乾いちゃって」
そういいながらお金を入れて、オレンジジュースのボタンを押す。
「Aは子供っぽいのが好きなんだな」
「轟くんは好みが渋めだよね」
一緒に共用スペースのソファーに座り、ペットボトルの蓋を開ける。
水分を補給して一息つくと、なんだか眠くなってきた。
「そういえばAいい匂いするな」
「シャンプーかな」
「多分それだ」
「でもみんな一緒じゃない?」
「Aはなんかいい匂いだ」
私の頭に顔を近付けてスンスンと匂いをかぐ轟くん。
少しドキドキしながらじっとしていると、急にタオルで頭をわしゃわしゃされた。
多分拭いてくれてるんだと思う。
「風邪ひくから、早く部屋戻って髪乾かした方がいいな」
「うん、そうするね」
「じゃあ、また明日」
「また明日」
小さく手を振って自室に戻る。
少し嬉しくて、スキップしながらエレベーターに乗り込んだ。
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婾纚儺 - ほっこりホコホコ (2018年12月2日 8時) (レス) id: abf7718af2 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - メダカさん» ほっこりしていただけたのならとても嬉しいです!コメントありがとうございます! (2018年8月25日 22時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
メダカ - 番外編も可愛かったぁ〜(*´∀`*)ほっこり(*´`*) (2018年8月25日 18時) (携帯から) (レス) id: 238af52e71 (このIDを非表示/違反報告)
れの(プロフ) - 杏さん» わかりにくくて申し訳ありません!もともと急須にお茶が入ってて、その急須に入っているお茶をティーカップに注いでいるという状況です。 (2018年8月21日 10時) (レス) id: 6cc8b71c99 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 急須にお茶いれてるんじゃなくて、ティーカップなんですか?? (2018年8月21日 9時) (レス) id: 664b772586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れの | 作成日時:2018年8月19日 21時