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17杯目 ページ19

「なるほど、あの時見た男はただの客引きだと思っていたのだが・・・ 次に相見えた時は僕の羅生門で・・・」

「やめて、羅生門しないで。芥川さんのそれは殺すってことですよね? ちゃんと生け捕りにしてくださいな」

「承知した」

みんなただの客引きだと思って何も言わなかったんだ。

というか軽く名物化してる・・・

ブー、ブー、ブー

僕君の方からバイブ音が聞こえた。

電話かな?

「失礼・・・」

私は右手を前に出し、どうぞとジェスチャーで伝えた。

「なんだ?」

『芥川先輩、任務です。至急本部へ戻ってください!』

「了解した、すぐに向かう」

ピッ

僕君は電話を切って私を見て言った。

「すまない、任務が入った」

「いえ。あっ、その前に・・・」

「?」

「店の前まで送ってもらえませんか? いや、目と鼻の先なんですか、やっぱ怖くて・・・」

「構いません」

「すいません・・・」

よっしゃ! 狂犬がいれば安心だ! 店の前まではな・・・

私は僕君と一緒に路地裏へ入っていった。

僕君は私の左斜め後ろにいる。

なんだろ・・・

自分で頼んどいてアレだけど、今にも羅生門でお腹刺されそう。。

「店主は」

「?」

「・・・いや、なんでもない。忘れてください」

なに、気になるじゃん。

でもこういうのは知らぬが仏。

「芥川さんって、敬語が入ったり抜けたりしますよね? なんでですか?」

「どちらで話せばいいのか分からぬ」

「なら敬語なしでいいですよ? 芥川さんの方が全然年上なんですから」

「そうか・・・なら、店主も普通でいい」

「いやいや、私は年下ですし、何より芥川さんはお客様ですから」

「僕は本当の貴方と話したい」

へ?

「え」

丁度店のドアの前で、私は歩くのをやめた。

目的地に到着したからではなく、僕君の言葉に反応したからだ。

・・・・・・・・・

「も、もぅー、芥川さん! なに恥ずかしいこと言ってるんですか! 下手したらそれ、別の意味に聞こえますよ!」

私は僕君の方に振り向き、右手で軽く僕君の体を叩いた。

「僕は貴方と対等に話したい」

「//////」

私は僕君の顔を見上げた。

その目に冗談という気持ちはない。

顔が熱くなったのを感じた。

「えと、その、お! 送ってくれてありがとうございました! で、ではまた‼」

私は僕君から目を逸らして、急いで店に入った。

「・・・」









(やはり、店の時と比べ印象が違う)

芥川は静かに微笑んで本部へと向かった。

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作品ジャンル:アニメ
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Wiyu(プロフ) - 続編行きました! 更に亀になると思いますが宜しくお願いします!!! (2018年9月23日 3時) (レス) id: 282d795185 (このIDを非表示/違反報告)
Wiyu(プロフ) - イゼッタさん» いえいえ気にしないでください( ´ ▽ ` )b (2018年8月29日 0時) (レス) id: 282d795185 (このIDを非表示/違反報告)
イゼッタ(プロフ) - Wiyuさん» 読み返しました!変なこと言ってすみませんでした!! (2018年8月29日 0時) (レス) id: 1f346eff48 (このIDを非表示/違反報告)
Wiyu(プロフ) - イゼッタさん» 会話文は基本「」なので問題はありません (2018年8月28日 7時) (レス) id: 282d795185 (このIDを非表示/違反報告)
イゼッタ(プロフ) - 最後の方夢主のセリフが「」になってますよ! (2018年8月28日 3時) (レス) id: 1f346eff48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Wiyu | 作成日時:2018年6月19日 17時

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