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『とりあえず口止めはできたけど…』
「ふふっ」
『どう説明しようか…「活気度」とか言って誤魔化すか』
そう言いながら璃月港へ歩く。
『…いやまずまず会わなかったらいいのか。よし蛍すまないが先に宿でゆっくりしててくれ！』
「えっちょっ」
裏道ルートで群玉閣まで行こう。
「晩御飯は？」
『香菱の所で食べて来る。ごめんな』
「まぁいいけど…気を付けてね」
『嗚呼！』
んじゃ！と言い、走り出す。
が、途中で往生堂がある。
即ち鍾離さんやタルタリヤさんがいるということで。
『うっお…』
「あ、Aちゃん！」
「こんばんは」
『こ、こんばんは！』
「そんなに急いでどうしたの？」
『あーいやぁ』
鍾離さんがふむ、と言い顔を近づけてきた。
顔を近づけてきた？
『え』
「A、お前の横に何か見えるのだが」
『タルタリヤさんに対しては見えないんですか』
「見えないな」
おうマジかよ…
「え、それ俺も見える。何かわかる？」
『分かりません』
多分引きつった笑顔だろう今。
嘘つくの苦手なもので！
「A」
『うっ…』
頬を引っ張られる。
離せや
『いひゃいっす』
「ふふっ」
『あらうな！』
笑うな、と言おうとしたが凄まじく気持ち悪い言葉になってしまった。
言葉だろうかこれは。
「あ、そういえば今日読んだ娯楽小説でさ。恋愛物があったんだけどね」
嫌な予感がするぞ。
「主人公の女の子には恋する男の子が自分に対する好感度が見える様になったんだって」
…アルベドが言っていた小説によーく似ているなぁ
気のせいかな
「で、挿絵はどんなんだったけ…」
確か…と、いいながら考えるタルタリヤさん。
そして鍾離さんよいい加減解放してくれ。
『しょうりしゃん!!』
「ふっ」
笑うなこら。
こっちだって恥ずかしいんだぞ！
そんな気持ちを込めて睨むと、鍾離さんが少し目を見開いた。
「上がった…2%だけだが…」
『え』
何にときめいたんだ私。
大丈夫か私!?
「あ、思い出した。％ケージだ」
そう、今俺達が見えてるこれ。とタルタリヤさんは言った。
「…A、俺への好感度が少し上がったのは…」
『私もよく分からないです。どこが基準なのか』
少し痛む頬を摩りながらどう逃げようか考える。
「俺が64％。鍾離さんは？」
「67％だ」
『…あらぁ』
意外に高くない…
「残念だな、こんなに俺はAちゃんを想っているのに」
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作者名：松 | 作成日時：2022年12月24日 14時
