クリスマス ページ2
『魔物からの被害報告と…あと貨物の被害か…』
先ほどノエルから貰ったコーヒーを啜る。
今宵はクリスマス。
世のカップルが一段といちゃいちゃする時期…と、一人の歩兵は言っていた。
ちなみに彼女はいないらしい。
『クレーのプレゼントは買ってあるし、仕事終わったら璃月組とスメール組に手紙…』
騎士団は年中無休なので、祝日も関係なく仕事は溜まりに溜まる。
最後の一枚に署名を行い、便箋を用意する。
『璃月は…七星組と往生堂組と…多いな』
ドアがノックされる。
「A〜！」
「Aお姉ちゃん！」
返事をする間もなく、ドアが開かれる。
『クレーにアンバー…ってめっちゃ大集合してる』
「よっ、A」
騎士団のメンバーが揃っていた。
「今からエンジェルズシェアに行くぞ」
『今から』
手紙どうしよう、と言っているとアルベドが歩み寄って来た。
「君、最近ずっと働いているだろう」
『そろそろ璃月に帰りたいですね』
鍾離さんへの手紙を書き終え、封筒に入れる。
スメール組は…また後でいいか。
「ねぇA〜いい加減僕と付き合ってよ〜」
『酒癖の悪い人とは嫌ですかね』
「え〜」
「じゃあ目隠しは？」
『外したら駄目なような』
知らんけど。
『あ、そうだ』
クレーを呼び、膝の上に座らせる。
『ほら、ここにコインがあるだろう？』
「うん」
指を鳴らし、花を出す。
一種のマジックである。
「わぁ…！」
『メリークリスマス。ドドコの新しい友達に』
記念品ショップで見かけて買ったウサギの人形。
良かった喜んでくれた。
「いいなぁ」
ウェンティが声を漏らす。
「僕にもないの？例えばキスとか！」
「それは僕が許可しない」
ディルックさんが間に入る。
「僕からも」
『アルベド』
意外な人が隣に座って来た。
「彼女とはまだ話したいことが沢山あるからね」
『おや、それは嬉しいな』
「残念」
「A？おい、誰だコイツに酒飲ましたの」
「僕でーす！」
ウェンティが元気よく手を上げる。
夜も深くなり、エンジェルズシェアに残ったのはガイア、ウェンティ、そしてディルックといつもの酒場メンバーである。
「でもたった二杯のリンゴ酒だよ？」
「Aはかなり酒に弱いんだ。僕が席を外した隙に…」
『おやおや、いつもの酒飲み達じゃないか…』
目を覚ましたA。
顔は紅く、見るからに酒に吞まれていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：松 | 作成日時：2022年12月24日 14時
