元攘夷志士の医者はイケメン！「いや私女だからァァァア！」

第四訓　前夜祭ってあんまり行かないよね。え？いく？ ページ7

夢を見た。

昔の夢だ。


いつもなら。ぼんやりと何も覚えていないはずなのに。


「やな夢みたなァ……」

なんで今日に限って鮮明に覚えているのだろう。



視線を足に向ける。


ゆっくりと撫でてみる。

すごく硬いし、信じれない程に冷えている。



「……あー、もう慣れたな」



私は大きく息吐き、嫌な気分を追い出した。




新しい一日の初っ端なんだ。もう疲れてるんじゃない！


気合を入れ勢い良く布団から飛び上がる。そして枕元に置いてあった白衣を羽織る。



「今日も頑張るぞーっ！」


そうして私が天に向かって拳を突き上げたその時だった。



プルル……と白衣の中に入れっぱなしになっていた携帯が震えた。


電話なんて、滅多にかかってこないわけだから、私は一瞬硬直した。


でも、すぐに気を取り直して「はい！こちら緒方医院です！」と元気に口に出す。





もしかして……患者か！予約の電話なのか！？



そう期待を膨らませ、相手が口を開くのを私は待った。




元気な声に戸惑ったのか、相手は数秒黙ったが、「あー」と喋り始めた。




「十時半に予約をお願いします。氏名は"土方十四郎"です」







……は？




その声に、私は再び硬直せざるおえなかった。

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