元攘夷志士の医者はイケメン！「いや私女だからァァァア！」

第九訓 ページ12

「何故」


そんな言葉は要らないと、そう判断したのだろう。


それでも言葉に詰まっている。


……ウケるな。


クールでミステリアスでテロリストな高杉君のそんな表情を見られるなんて、感激の至りだ。


――なんて、的外れなことを考えていても、時間ってのは有限だ。

永遠なんてない。



「てめェ」


絞り出すように、やっとこさ高杉が口を開いた。


「……んだよ」

ちょ威圧感ハンパねぇんだけど空気重すぎるんだけど怖いんだけど。

頑張って格好つけて余裕ぶったけど無理そ。
あーもうなんでこんなとこ来ちゃったんだろあぁそうだ昨日マヨネーズが医院に来て大金とマヨネーズ臭まき散らかしていってから今日来ちゃったんだよマヨネーズ許さん。


「A、てめェに用はねェ。どきな。

――足を失いたくなければ」

おぉこわ。
やっぱ現役で人斬ってる人間はちげーわ。


でもな……。


脳裏には、ヅラと銀時と先生の顔が過る。




「これ以上壊されたら、たまったもんじゃねーんだわ。





あと、お前みたいな低杉君の言う通りってのは、ちょっと矜持が許してくれない」







「足は要らねェと？ ……望み通りにしてやるぜ」


やっちゃった。

こいつ刀抜いたぞ。





――そういや、もしかしたらヅラの奴、本当は注意喚起を告げに来たのかもしれない。

「余計な事するな」って。

優男の言う通りってのも、ちょっとな。

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