鏡の国のティーパーティ (ページ34)

今日:27 hit、昨日:2 hit、合計:16,409 hit

賭けページ34

EF「1人でやるのか、あいつを？」
「ジョーは見てるだけでいいや。これはあいつと私の戦いだから。」

アリエルを標的に定める。

アリエル「私が、あなたを倒して、ジョーの隣に行く。アンタは邪魔者よ。」
「それはそれは第七皇女。ずいぶんな物言いですこと。もう少し言葉遣いを考えてみては？」
アリエル「ジョーを手に入れるためなら私、なにをしてもいいと思ってるのよ。」
「ご執心なのですね。ヴィランズを相手に光のプリンセス、いえ、あなたは影のプリンセスでしたね。」
アリエル「うるさい。」

二本の足を持っていた女2人の姿が、人魚とオクトピッド(半蛸人)に変わる。
同時にシアターの中は海の中になった。

EF「うわっ…！言えよな、溺れ死ぬとか心残りになりすぎるだろ。」
アリエル・A「ジョーは黙ってて。」
EF「…ハイ。」

アリエルにはトライデント、私にはアースラ様のネックレスと契約書。

どう見たって私の方が不利。

アリエル「そんなものしか用意できないの？」
「まあ、私は契約を生業としていますからね。」
アリエル「笑わせないで。私はお父様のトライデントよ？あなたの旧マスターを倒そうとした。」
「ならば私は旧マスターのためにそのトライデントを壊して差し上げましょう。」

いつのまにか生み出していたのは内容の書かれた契約書と、アリエルの姉妹の名前が書かれた契約書に包まれたナイフ。

これでなにをするべきか。
ナイフを包んでいた契約書を読む。

その時、アンデルセンの童話が頭をよぎった。

「アリエル、ここで一つ賭けをしませんか？」
アリエル「嫌よ、私はあの愚かな光のようにはなりたくない。ジョーの隣にいたいの。」
「もしも賭けすることで一緒に居られるなら？」
アリエル「…あなたがそんなことするとは思えないわ。」
「ご安心を。賭けの代償はお互い同じです。」
アリエル「内容は…？」
「これはこれは、理解の早い方で大変助かる。」

私は契約書に書かれた内容を読み上げた。

「このナイフで彼の胸を貫けた方が、彼を貰える。それでいかがですか？」
アリエル「…！そんなことできるわけ無いじゃない…！」
「もしも、私も刺せなくてあなたが生きていたならばあなたのものにしましょう。」
アリエル「ふーん。じゃあ、それでいいわ。サインする。」
「では。」

この賭け、勝った。