哀しき獣 ページ43
「……あぁ、そうだな。そうだろうとも。お前の言う通りだ」
束の間の沈黙の後、レオナは笑い出す。
「俺は絶対に王になれない……どれだけ努力しようがなァ……！」
ふたたび地面が揺れた。その場の誰もが、レオナの魔力――否、負のエネルギーが急速に高まったことを感じ取る。それはもはや、リドルのユニーク魔法で封じきれるものではなかった。
「みんな、伏せろ！！」
ケイトが呼びかけた直後、レオナの首にはめられていた魔法封じの枷が割れて吹き飛んだ。
レオナが俯く。と、一滴の雫が落ちて地面を黒く染める。顔を上げた彼の左目から黒い液体がとめどなく流れて首を伝い、
「まさか……！」
ユウとグリム、ハーツラビュルの五人はこれから何が起こるか悟り、顔色を変えた。
「俺は生まれた時から忌み嫌われ、居場所も未来もなく生きてきた。どんなに努力しても、絶対に報われることはない」
レオナはそれまでの諦めたような静かな様子から、激しく炎が燃え上がるかのように豹変した。
「その苦痛が、絶望が……
お前らに分かるかぁアアアアアアアッ！！！！」
・
レオナが叫んだ直後、彼の背後に巨大な怪物が現れた。それはライオンのような姿をしていたが、体は不気味なツギハギで、顔の代わりにあるのは黒い液体の入ったインク壺だった。
「立てる者は自力で退避！ エース、デュースは怪我人を連れて外へ」
「「はいっ！」」
リドルは先生たちを救援に呼ぶようリリアに頼み、彼が去ると、残りのメンバーと共にレオナと対峙した。
ケイトはすかさずサバナクロー生にAを預ける。だが彼は当惑していた。何故Aはここまで傷ついているのか。まさか彼らにやられたのか。
「お前ら全員、明日の朝日は拝めないと思え！」
レオナの背後の獣が地を踏みしめると同時に凄まじい力が六人を襲う。桁違いの強さに、リドルですらも苦戦していた。
Aはレオナに手を伸ばした。自力で起き上がることはおろか、片腕を上げることも億劫だった。だが、自身の体の痛みなどどうでもよかった。
「絶対、死なせない……！」
レオナの背後の怪物を睨みつけ、強い怒りとともに呪詛を紡ぎだす。緑色の電流が怪物を取り巻き、ガラスの頭部が砕け散った。
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リー・マキトータ(プロフ) - 珠梨さん» 大爆笑しました🤣 ちなみに読みは『エウシーダ』で、二つのスワヒリ語を合体させた造語です。 (4月1日 14時) (
レス) id: 042fe54ac4 (このIDを非表示/違反報告)
珠梨(プロフ) - タイトルを入試だ☆と読んでしまった自分は…… (4月1日 14時) (レス) @page2 id: ac62a72ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リー・マキトーマ | 作成日時：2020年2月28日 9時
