・ ページ48
「大体さ、キルアが殺し屋になるなんて無理だと思うんだよね。」
「だって、すっごく優しいもん！Aが試験中離れ離れになっちゃった時があるんだけど、それずっと心配してたし！Aは強いから大丈夫なのにね。」
あははと笑って話を続け、やがてゴンは楽しくない思い出まで思い出してしまう。
サトツの口から告げられた、失格者の名前。
ヒソカの腕に抱かれた、眠る少女の姿。
「…」
「だけど、やっぱりキルアもAも危なっかしい所があるから。…2人にはオレが居なきゃ駄目なんだ。」
「…3人一緒じゃなきゃ、駄目なんだ」
「キル、友達に会いたいか」
「…うん」
「…思えば、お前の笑顔を見るのも随分久しぶりに感じるな。」
わしわしとシルバに頭を撫でられる。キルアはそれをくすぐったそうに、かといって拒否することなく、されるがままになっていた。
「…俺は、暗殺者として生きてく事をお前に強要してきた。」
「ゾルディック家の血を受け継ぐこと、絶やさぬ事が俺の使命だと、ずっと思っていた。」
「だが、お前にはお前の人生がある。」
「最近になってやっと気付かされた。遅くなってすまないな。」
「…！ううん」
「…だがな、キル、一つだけ誓え。」
シルバは表情を変え、鋭い眼差しでキルアを見る。
「決して友達を裏切るな。」
そしてキルアもそれに応えるように、視線を合わせる。
「うん、裏切らない。絶対に。」
「あら、キル。そっちはお部屋じゃないかしら？あなたがいくのは独房ではなくって？」
「おふくろ、俺は明日Aとここを出ていく。邪魔しないでくれ。」
「っ！ぁぁぁああああ！！やっぱりそうなのね！キルもすっかりあの雌犬に誑かされちゃって！！許可を出したあの人もあの人よ！！！キル！！今すぐ独房に戻りなさい！！！」
「俺は行くよ。」
「キル！！！」
いつもなら、うるさい以外に特に感じない母親の甲高い声。
…それが今なら、簡単に捻りつぶせそうな気がした。
「…どけよ。」
「…ぁ、ぁあ」
硬直する母親を置いて部屋に向かう。
「…なんて冷たい目が出来るようになったの…！」
親父と約束した。それ以前に、ゴンとAに誓った。
「俺は絶対に仲間を裏切らない。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 667人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かぴばら2(プロフ) - ネオさん» コメント今気付きました！申し訳ないです！思わず零れたような好き、ありがとうございます！！！これからも更新頑張ります！！ (2021年2月17日 21時) (
レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
ネオ - 好き、 (2021年2月4日 20時) (レス) id: 58fc4bb18d (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - 赤トンボさん» いや、優しさに甘えてはいけません！！(戒め)少し前まで鬼滅で息を吸ってハイキューで息を吐く生活だったので、次からHHで息を吸ってこの作品で息を吐く生活に戻します！もう末期ですね！本当にありがとうございます！更新頑張ります！！ (2020年4月11日 7時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - レイカさん» ち、違うんだ！あいつらが、あいつらが誘惑してきたんだー！！！この世はエモい物に溢れすぎている…。土曜日とは言ったものの深夜帯になるかもしれません！！申し訳ない！ミュージカルアニメ漫画見ていっぱい更新するぞ！！ (2020年4月11日 7時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
赤トンボ - 最近この作品を見始めました。とても面白いです!鬼滅とかハイキューなど面白いのでしょうがないないですよ(笑)作者さんのペースで話を書いても全然大丈夫ですよ！ (2020年4月10日 11時) (レス) id: d4227617d6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かぴばら x他1人 | 作成日時：2019年9月11日 0時
