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「…ゴンを、殺す?」

ゆっくりと少女はイルミの言葉を復唱する。

途端に少女の瞳孔はカッと開いた。右腕の包帯は執念深い星(ヘイトイーター)が発現した事によってただのボロ布と化す。

「やれるもんならやってみろ…!」
「その前にお前を八つ裂きにしてやる!」

青筋を立て、憤怒する少女。

「やめろ!早まるなA!」
「今手を出せば失格になるのはキルアの方だぞ!」
「だからって、ゴンが死んでコイツが失格になるまで待ってろって言うのかよ!」

イルミを指さしながら、悲痛そうにすら見える顔を二人向ける。まだ飛びかかって攻撃しないだけ、理性があると言えよう。

「あー、そっか。今ゴンを殺したら俺が失格になるのか。」
「なら、よし。合格してからゴンを殺そう。」

右腕の大きな切り傷だけでなく、体の至る所にある小さな切り傷からもトゲの様に結晶が出てくる。ハンゾーとゴンの時と比べ物にならない、この怒り。

ハンゾーは人間らしい部分を、ゴンに対する動揺を隠せていなかった。しかしこいつは違う。

こいつの心は、深淵の闇のようだ。

「それなら仮にここの皆を殺したとしても、合格が取り消されることは無いよね?」
「うむ、左様じゃ」
「っおい!!」

ネテロの淡々とした返事にも食ってかかる少女だが、歯ぎしりして本来の敵を見据えた。

「聞いたかい?キル。ここでお前が俺に勝たないとゴンは死ぬ。…あぁでも、真っ先に俺を襲ってきそうなAが半殺しになるのが先かもね」
「…ぁ」
「動くな」

イルミが手を、キルアにゆっくりと伸ばす。

「動いたら直ちに戦闘開始の合図と見なす。そして俺のこの手がお前に触れても、合図と見なす。止める方法は、わかるな?」

「だが忘れるな。お前が負けを認めたらゴンは死ぬしAは致命傷だ。」
「友達の為にお前は俺と戦えるか?」
「できないね。今お前はこの場で俺を殺せるか、殺せないかの方が大事だから。」

「そしてお前の中でもう答えは出ている。」
「『勝ち目のない敵とは戦うな』俺が口を酸っぱくして教えたよね?」

「っ…やっちまえ!キルア!」
「どっちにしろ、お前もゴンも殺させやしねえ!Aも大人しく殺られちまうようなヤワな奴じゃねぇ!!」
「そいつは何があっても俺達が止める!お前のやりたいようにしろ!」


キルアの喉が震え、汗が止まない。

「キルア!」

少女がキルアを呼ぶ。



「…まいった」

口から出たのは、降参の一言だった。

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かぴばら2(プロフ) - ネオさん» コメント今気付きました!申し訳ないです!思わず零れたような好き、ありがとうございます!!!これからも更新頑張ります!! (2021年2月17日 21時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
ネオ - 好き、 (2021年2月4日 20時) (レス) id: 58fc4bb18d (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - 赤トンボさん» いや、優しさに甘えてはいけません!!(戒め)少し前まで鬼滅で息を吸ってハイキューで息を吐く生活だったので、次からHHで息を吸ってこの作品で息を吐く生活に戻します!もう末期ですね!本当にありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月11日 7時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - レイカさん» ち、違うんだ!あいつらが、あいつらが誘惑してきたんだー!!!この世はエモい物に溢れすぎている…。土曜日とは言ったものの深夜帯になるかもしれません!!申し訳ない!ミュージカルアニメ漫画見ていっぱい更新するぞ!! (2020年4月11日 7時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
赤トンボ - 最近この作品を見始めました。とても面白いです!鬼滅とかハイキューなど面白いのでしょうがないないですよ(笑)作者さんのペースで話を書いても全然大丈夫ですよ! (2020年4月10日 11時) (レス) id: d4227617d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かぴばら x他1人 | 作成日時:2019年9月11日 0時

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