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道を作るのは案外簡単で ページ38

翌日、少女がゾルディック家に侵入して11日が経過した。

「キルアー!キールーアー!!!」

この屋敷、広さの割に人口密度が低い。綺麗に掃除はされているが、やはり何処かがらんとしている。故に少女が迷惑をかえりみずにキルアの名を呼び回ってもそれを咎める者は居なかった。

「ったく、誰だようるさいな。なんで朝っぱらからアイツの名前を聞かなきゃいけないんだ……」

……居ない筈だが、例外もいるにはいる。

ガチャりと重たい扉を開いたのはミルキ。ミルキは訝しむ様な顔で忌々しい弟の名を呼ぶ声の主を探した。

そして声の主…少女とばちりと目が合う

「あぁ〜〜!お前!兄貴の!」
「え、兄貴…?」

兄貴、という事は…

(このデ……いや、失礼だな。このブ…これも失礼か)

中身を知らずに体型の事を悪くいうのはよろしくない。少女はそう思い直す。

(…このぽっちゃりもキルアと兄弟なのか)

「…どうも」
「ふ〜〜ん」

ミルキは少女をじろじろと、頭のてっぺんからつま先まで眺める。

(な、なんだこいつ…)
「…やっぱ兄貴って趣味変わってるな!お前みたいな貧相なガキ、何処が良いんだか」
「そりゃ親父にいっぱいくわせたのはスゲーかもしれないけど。キルの一個下はナシでしょ」

うん、ないない。ありえねーわー。など、じろじろ少女を眺めて独り言を言うミルキ。

(…どうしよう。言われてる事スッゲー腹立つ。……けど)
(絶対このデ…ぽっちゃりの感性、イルミより全然まともな気がする。)

密かに少女の中での好感度がイルミより上昇する。

「それで何?お前キルのこと探してんの?」
「は、はい。知ってるんですか」
「知ってるけど、いわねーよ?」
「っ!なんで!」
「だって言ったら兄貴とママが後からこえーし。」
「…あぁ〜。なるほど」
「物分りが良いのは美徳だな。」

イルミにしてもキキョウにしても、今キルアと少女を会わせるのはなるべく避けたい筈だ。それならミルキの心情も自ずと察する。

「ならやっぱり自力で探すしかないか…。」
「……」

それじゃ、と言って少女はその場を立ち去ろうとする。ミルキはそれを見て、わざとらしく「あ」と一言

「そういやそろそろ時間だ」
「…?どうかしました?」
「俺の腹ぶっ刺したくそガキを痛めつけに行くんだよ。」

俺の腹を、ぶっ刺した…。少女はすぐにピンとくる。

「着いてきたいなら着いてきてもいいぜ」

気分の良いもんじゃねえけどな、と言ってミルキはにたりと笑った。

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かぴばら2(プロフ) - ネオさん» コメント今気付きました!申し訳ないです!思わず零れたような好き、ありがとうございます!!!これからも更新頑張ります!! (2021年2月17日 21時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
ネオ - 好き、 (2021年2月4日 20時) (レス) id: 58fc4bb18d (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - 赤トンボさん» いや、優しさに甘えてはいけません!!(戒め)少し前まで鬼滅で息を吸ってハイキューで息を吐く生活だったので、次からHHで息を吸ってこの作品で息を吐く生活に戻します!もう末期ですね!本当にありがとうございます!更新頑張ります!! (2020年4月11日 7時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - レイカさん» ち、違うんだ!あいつらが、あいつらが誘惑してきたんだー!!!この世はエモい物に溢れすぎている…。土曜日とは言ったものの深夜帯になるかもしれません!!申し訳ない!ミュージカルアニメ漫画見ていっぱい更新するぞ!! (2020年4月11日 7時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
赤トンボ - 最近この作品を見始めました。とても面白いです!鬼滅とかハイキューなど面白いのでしょうがないないですよ(笑)作者さんのペースで話を書いても全然大丈夫ですよ! (2020年4月10日 11時) (レス) id: d4227617d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かぴばら x他1人 | 作成日時:2019年9月11日 0時

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