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入試、塾、推薦で学校が決まっているサボリ人、大学に行かないサボリ人……教室にいる人数は学級生徒全員の半分以下だ。
そんな中、休み時間にもかかわらず大多数に紛れて勉強する肩をそっと叩いて問った。
「なあ北君、チョコっと時間ええ？」
思い返せば同じ中学であり、密かにずっと想いを寄せてきた北君。彼は一瞬首を傾げた後、今日の日にち、二月十四日によって時間を要された事に納得したらしい。それもそのはず。学校中の女子は、テスト期間及び受験シーズンであるにもかかわらず、そわそわと浮かれ、俗に言う『友チョコ』を交換し合ったり、本命チョコを渡す流れで告白したりと舞い上がっているのだから。きっと彼にも、これまで隠し通せていたであろう私の気持ちが、今一瞬にしてバレた。いいや、別に良いのだ。進学先が違うことがほぼ確定していて、この先関わりがあるかも分からないのだから、この秘めた気持ちをバラしてすっきりするべきなのだ。
「ごめん。勉強してたんに、止めてしもうて」
休み時間に人が来ることは到底ないであろう第二理科室前の廊下で、おもむろに歩き進めていた足を止め、北君の方へ向き直って言った。
速く、上昇していく脈とは対照的に、落ち着いた普段と同じ声が出る。
定番恋愛もののヒロインみたいに、声が裏返ってうっかり噛んじゃう、だなんて可愛い乙女チックなことできないし、顔に熱を感じないから多分私の顔色はいたって普通だ。赤くなんてなっていないしなれないと思う。
「ええよ。一段落ついたとこやったから」
優し気な声色で言う彼は、さながら私が話しかけるタイミングを見計らっていたのを知っているように感じた。
「あんなぁ、私――――北君のこと、ずっと好きやってん。良かったら、コレ食べて。生チョコとチョコクランチ、嫌いやなかったら」
性に合うシンプルな薄紫の小さい紙袋を彼に押し付けるようにして、「時間取ってごめん」とその場を去ろうとすると、「ちょっと待ち」と腕を引かれた。
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Ника(プロフ) - とっとさん» キュンキュンな青春話が書きたかったので、そう言っていただけて嬉しいです…ありがとうございます！北さん魅力いっぱいですよね！ (2019年4月2日 9時) (
レス) id: b9295c5788 (このIDを非表示/違反報告)
とっと - キュンキュンしました、、、。飴の話とか出てきた時、「あっ、、確信犯や」ってなりました！ 北さんいいですよねー (2019年3月31日 23時) (レス) id: f0db948643 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ника | 作成日時：2019年2月14日 22時
