01. 入社試験 ページ2
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『──織田さん、今日も彼処のお煎餅屋のおばちゃんに捕まってるんですかねぇ。
帰りがやけに遅いですし。もう七時ですよ？』
「こんな朝早くに開いとる煎餅屋があるか」
＿＿＿
能力名「今宵の女神様」＿
＿＿＿国木田独歩
能力名「独歩吟客」＿
夜が明けたばかりの探偵社。
探偵社は現在、「入社試験」の為の準備をしていた。
対象は「芥川龍之介」。
昨夜、社員である織田作之助が餓死寸前の芥川を拾い 探偵社に入れる等と云い出したからだ。
『それもそうですね。ま、新人君が来る前に速く準備しちゃいましょう』
そして彼女も、武装探偵社の社員。彼女の異能は数少ない
有力な調査員であり、然し少し抜けているところも少々。
『…あ、もうそろそろ来ますよ。谷崎君、ナオミちゃん、位置について。国木田さんも疾く』
彼女がそう云うと同時に、階段を登る足音が。
国木田は「武装探偵社」と書かれたプレートが掛けられているドアの前に立つ。
「お前は──」
「
部屋の外からそんな会話が聞こえる。
Aはそれを聞き乍ら物陰に隠れていた。
「お前が芥川か。話は聞いている。
いきなりだが手を貸してくれ」
「何事だ」
「爆弾魔が、人質を連れて探偵社に立て篭もった！」
＊＊＊
「──すンませんでしたッ！」
＿＿＿谷崎潤一郎
能力名「細雪」＿
此処は探偵社の下の階にある「喫茶うずまき」。
谷崎が芥川に土下座…をしている。
然し芥川は無言で見つめるだけだ。
「すンませんでしたッ!!」
谷崎はもう一度頭を下げる。
暫くの沈黙の後、もう一度口を開いた。
「そのぅ、昨日は本当にすみません。
試験とは云え爆弾魔の演技で命を脅かすような真似をして……
ええと、矢ッ張り怒ってますよね？」
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作者名：甕調悠亜 | 作成日時：2023年10月29日 3時
