+２０４+飛び道具 ページ9
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多少なりとも私が反応せざるを得なかった。
もし沢田くんらと出会わなければ実物を見ることすらなかったであろうモノ。
彼が笑みを携えてチラつかせたグリーンと艶やかな黒の「それ」
日頃「それ」と鉢合わせる時、沢田くんの存在ありきであった。
彼を豹変…あの猛々しい形相へと変異させるための「得物」
『…ここにきて、飛び道具を修得しろと？』
その疑問は赤ん坊くんではなく隣に佇む老師へと向けた。
あくまでも、今回の戦いでの私の師は彼だから。
当の我が師はいつものように穏やかな笑みを孕みながらいつもの構えをとる。
そのままふぅ…と深く息を吐き出し、伏せた瞼を開くと
その口をおもむろに開いて言葉を紡いだ。
「体術の基礎は私が指導する前から十分に備わっていました。
そして現在、近居地・中距離については貴女が独自で学んだ武器で事足ります。
今、＜風＞たる貴方に求められるのは博学広才であること
それに伴い、遠距離の攻撃手段にも長けていると尚良い、と判断しました。
もちろん、そう容易ではないことも
既に詰め込んだスケジュールであることは分かっています
ですので、これを受けるか受けないかは貴女が決めていいですよ。」
判断を委ねているのは分かっている一方で
先手を打たれた状況から煽られているような挑戦的な思惑を勝手に想像してしまう。
ここで「じゃあ止めておきます」というのは癪だ。
しかも数刻前、彼女の特訓のために求めた能力と合致している。
私自身のためであり、彼女を生かすための特訓にも必要…
ちょっとしたオーバーワークがなんだっていうんだ
普段つまらない授業で活用していない脳をここぞと回せばいいだけのこと
心を読んだのだろうか、目の前の小さな影が笑んだ。
その様に、私の答えを態々言葉にする必要はないと判断した。
ならば話は“次”に移行しよう。
『ところで。』
口先に転換の接続詞を添えて
移行を促しながら片手は鉄扇の入ったホルダーに添えた。
『４人目の第三者…そちらの方はお二人のご友人でしょうか？
もし、違うようであれば、こちらからお迎えしようと思うのですが…。』
「おっと、そりゃ待ってくれお嬢さん」
指先を這わせた鉄線の持ち手を握り締め
扇の隠れた頭部…「天」が晒されそうになった時低い声が開けたその場に通る。
かすかに漏れた気配、その先からツナギを身にまとった中年男性が現れる。
パッと見で分かる情報では体格が良く、片手にツルハシを携えていた。
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優波 - お話とても素敵です！続き楽しみにしています。更新頑張ってください！ (12月26日 0時) (
レス) @page31 id: bb04c2cc27 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - 蜜柑さん» 先の見通しを立たせるのに時間を要し、お返事も先延ばしにしていてすみませんでした……。また少しづつ書いていけたら、と思っていますのでお暇な時にでも覗いていって下さったら幸いです。 (2022年4月25日 14時) (レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - お稲荷さん» お時間をいただく返事、更新で申し訳ありません。先の展開に少し見通しが経ったのでまた時間がある際に更新していくので宜しければまた覗いていってくださいね (2022年4月25日 14時) (レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - とても面白く一気読みしてしまいました！！次の更新も楽しみに待っています！ (2022年2月27日 11時) (レス) id: 33c0f3033a (このIDを非表示/違反報告)
お稲荷(プロフ) - 設定やストーリーがとても自分好みで、つい何度も読み返してしまうほどのお気に入りの作品です。更新再開を楽しみに待ってます！ (2022年2月11日 11時) (レス) @page14 id: 12617f35c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2021年8月14日 19時
