【REBORN】私が形成した私で生きるために

+２２６+この戦いにおける意義とは ページ31

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『……事実、私の方はなんとも言えません。』


「…はっ、そんなんで戦えんのかよ」



煽り笑ってるかのような口調だが、そこに自分への自信がなくから笑いに近い。

この場合どうしたらいいのだろう？
叱咤激励して差しあげた方がいいんだろうか？…いや、この人はきっと嫌がりそう。



どうしよう、この人と１：１で話したことがほとんどなくてどうしていいか分からない。

というか、こんな様子のこの人と話したことなんて、見たこともない。



……、



『あの、』


「…あ？」



『正直に申し上げると、貴方のその様子が…こう、違和感があるというか

下手な慰めなんかするつもりは毛頭ないんです、けど…たぶん大丈夫ですよ。
貴方一人の進捗、戦いに何か問題がありそうなら
いっそ、乱戦にでも持ち込んで全員矯正して国に帰って頂けばいい話ですし。』




そのほうが話も早そうですし。



「乱…？」と短く最後まで続かぬオウム返しが来たかと思えば
話を理解したのかハッとしたようにこちらを振り向き

「……！？ お前ッばっかじゃねーの！？」と割と大きな声で切り返してくる。




『失礼な人ですね、例えの話ですし
そもそも何をするとも言われず
ただ戦いに備えろといわれてるんですから可能性は無きにしも非ずですよ。』


「お前、そんな単細胞みたいな考え方する奴じゃなかっただろ。」



早いものは早い、と返したくもなったが


そう言われるとそう、だった…ような気もする。

自分というものを自信もって説明できるほど私自身分かっていない。


少なからず獄寺さんから見た私はそうだったのに…
私が変わった？それとも私も彼もわかっていなかった私はそうだった？



『総当りの方が早く終わるじゃないですか。』


「オメー…わかってんのか
コレは十代目が正統な後継者だと証明する大事な戦いなんだぞ！？」




今度は少し怒ってらっしゃる様子

沢田くんを十代目として敬愛してらっしゃる彼からしたら
そういった意味合いで、とても重要な話なのかもしれないけれど…

悪いが、そのノリを理解していない者や付いていけていない者もいる。


現に私はそちら側だ




『あぁ…一応の主旨はそういったものでしたね。
しかし、あまりその実感はありませんね…彼自身ならないと日頃叫んでますし。』


『今回に至るあれそれと彼を取り巻く環境にも関心はありませんし
私が参加する理由も守護者として、とかの建前を除き、正味興味はなくてですね…。』




こちらを見返すようになった獄寺さんの方に向き直ることなく告げた。

向き直ることなんてしなくても分かるが
彼の視線は、間違いなくこちらを突き刺していた。

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