【REBORN】私が形成した私で生きるために

+２２１+特技は学びである ページ26

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恭弥さんと共にいて、共闘「しなくては」と考えたことは
無意識領域は不明として、私自身が自覚をもって考えたことはただの一度としてない。

した方が事を進めるのに便利、という面で共闘をしたことはあるが…。


だから、私に必要なのは恭弥さんとの戦いのための「個」の強さであり
その強さを他で利用するなら場面は、一般人の悪行に対する「矯正」のみに限られる。



なら近接のみで事足りている。
それ以上のものは必要なかったのに、今の私はこうなった。


…彼らの、中で




六道骸との戦いの中でも他人に任せるという選択肢が生まれた。
獄寺さんを見て広域での戦いで設置型の武器を検討するようになったか。

団体に属するとは、１年の春には考えもしなかったな。
だが、学びでもあったわけだ。


学び、と言う言葉でやっと
笹川先輩の言う「学習における天才」という言葉が脳裏にチラつき始めた。



学びとは。


吸収であり、他者に与えられた言葉を反芻し自身のものとする、と説くなら…。
だとしたら…、抽象的で確立はされていないが
恐らく集団における私の強みは、風の守護者の役目に準えて、これだろう。


少し、強張っていたらしい肩の力が抜けて、ふぅと小さく息を吐き出した。

そして吐き出した分を取り戻した肺から酸素が満ちると
つらつらと浮かんだ言葉が脳を擦り抜け、そのまま口から吐き出されていく。



『私が何か一つオンリーワンを唱えることはありません。
少なくとも、今の私には出来ないでしょう。

…代わりに彼らのオンリーワンを学び
自身に吸収すること、彼らのそれを活かすことは出来ます。


彼らのいいところ、凄いところ、沢山学んできましたから。』



『私が学ぶこと、変わることは
貴方がたの求める“風”とやらになるためにも
私自身が一人の人として生きるためにも良いことらしいですから。

…努力は、惜しみません。』




現状では、こんな…質問に対して正しい回答とは言えない
とても曖昧な回答しかできませんが。と続ければ
コロネロ君は射抜くような視線を離すことなく、線を引いていた口元を緩ませ、笑った。


そしてトントン、と身軽な身のこなしで
人の肩に乗っかってきたかと思えば、その小さな手で側頭部付近を梳くように撫でる。


…小さな手、だと見たままに、その上、その感触でも分かっているのに

まるで自分より「お兄さん」に宥められているような感覚になったのは
変に深く色々考えた副作用か何かで、私がおかしくなっているだろうか？

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