+２０６+人を介して子を見つめる ページ11
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老師の瞳のそこに、その視線に「愛」があるとして
私が真っ先に思い浮かべる歪んだものとは全然違っていて
きっと友愛とか家族愛とか、親しみ何だろうけど
唯一確かに味わった家族愛と重ねるには、それを上塗りした歪な愛が邪魔をする。
そわそわと浮足立つような、体の内側を撫でられるような
こそばゆさに近いのに掻くべき場所が分からないような変な感覚。
えもいえぬような感覚にスススッ…と静かに視線を逸らす。
直ぐにクスリと笑う声が聞こえたが再度彼と視線を合わせる気にはなれなかった。
「ふふ、新しい弟子も器量もよく、意欲的で教え甲斐があります。
リボーンと貴方の人を見る目の高さにも感服しましたよ。
私から見ても、彼女が“風の守護者”にもっとも相応しいと思います。」
以前老師本人からイーピンちゃんがお弟子さんだったことは伺っており
新しい弟子が私で前述された愛弟子こそ、彼女を指しているとは理解できた。
そんなに高く評価されるほどできた生徒ではないというのに。
謙遜しているつもりもないが休日明けに聞かされた
“風の守護者”に求められる素質や使命に私が相応しいとは未だに思えない。
悶々と異議を申し立てたいような…
不愉快だったり不満なわけじゃないが横やりを入れたい
そんなもどかしい気持ちと心の中で対峙し、口を横一線に閉じていた。
「お前ならAを気に入ると思ったぞ。」
そう言って小さな黒い影は笑み
男性は先程までの呑気な雰囲気を交えつつ、穏やかな目をしていた。
その目に、老師の先程の視線と近い何かを感じた。
友愛や、家族愛、思慕、親しみ…。そういった他者への一種の愛情。
でも私そのものに向けられているというより、私の先に何かを見ていた。
私の中に残って小さな疑問、わだかまり。
その答えとその瞳の温度の理由は通じているのだと気付く。
いくつか、その気付きに「しかし」と異議を唱えたくなるような
矛盾や違和感の類もある、が
それは私にとっては些細なことだし事実確認だけをしよう。
私が言葉に紡ぐよりも先に赤ん坊くんに口角が上がる。
言葉にせずとも思考を読み解かれるのは、やはりいい気はしない。
毎度思うが、随分と悪趣味だ。
そして彼の無音の回答によって男性に向けた視線が
警戒心は手放せたが、ジトリと少し呆れを添えたものになる。
『…ならば、そのような視線は私では役不足です。
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優波 - お話とても素敵です！続き楽しみにしています。更新頑張ってください！ (12月26日 0時) (
レス) @page31 id: bb04c2cc27 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - 蜜柑さん» 先の見通しを立たせるのに時間を要し、お返事も先延ばしにしていてすみませんでした……。また少しづつ書いていけたら、と思っていますのでお暇な時にでも覗いていって下さったら幸いです。 (2022年4月25日 14時) (レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - お稲荷さん» お時間をいただく返事、更新で申し訳ありません。先の展開に少し見通しが経ったのでまた時間がある際に更新していくので宜しければまた覗いていってくださいね (2022年4月25日 14時) (レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - とても面白く一気読みしてしまいました！！次の更新も楽しみに待っています！ (2022年2月27日 11時) (レス) id: 33c0f3033a (このIDを非表示/違反報告)
お稲荷(プロフ) - 設定やストーリーがとても自分好みで、つい何度も読み返してしまうほどのお気に入りの作品です。更新再開を楽しみに待ってます！ (2022年2月11日 11時) (レス) @page14 id: 12617f35c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2021年8月14日 19時
