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+137+引き金 ページ42

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「大丈夫ですか、雲雀さん!」


処置を進めているとバタバタと沢田くんらが駆け寄ってくる
それをチラリと一瞥して、再度手当を続ける



「こいつ途中から無意識で戦ってたぞ。余程1度負けたのが悔しかったんだな。」

『…恭弥さんは負けを認めるようなお人ではありませんから』



傷を隠すように流れる髪を軽く撫でるように避ける

元々の髪質が良いのだろう
ボロボロの体に対し、サラサラと手触りの良い髪が気持ちいい


髪の下に隠れた切り傷も消毒液を染み込ませたハンカチで拭う

あぁ…せっかく綺麗な御顔をしてらっしゃるんだ
傷が残らないといいけれど



一通り、今できる処置を全て終わらせる。
よく分からないが、彼らマフィアの医療チームが来るらしい

沢田くん側の人間らしいから任せても問題ないだろうし
一般の病院よりも手は良さそうだ。正直、助かる


ふと、肩に小さな風を感じる
上を見上げればそっぽを向いた獄寺さんが居た。

肩に浴びた風は今私の肩にかかる少し汚れたシャツか。



『なんですか?コレ』


思った通りに問いかければ、獄寺さんは口元を尖らせつつ口を開いた。



獄「お前のその格好が目に余っからだよ!」

『仕方がないじゃないですか
 怪我人の傷の止血にシャツを使ってしまったんですから』


獄「だからそれ着てろっつってんだ!」

『いや、初めて聞きました…』



一方的な、完全なる逆切れに内心「えぇー…」と思いつつ
助かる配慮ではあるので、ありがたくお借りする

体格はほぼ変わらないため、サイズ感はちょうどいい
強いて言うなら袖が少しだけ長い。


少しの間、いつもの日常のような会話をしていたが
その雰囲気を切り裂くように声が聞こえた



「その医療チームは不要ですよ
 なぜなら生存者はいなくなるからです」



最初の一言を聞いた時点で何も持っていなかった手に分銅鎖を握り
声が聞こえた方を静かに、睨むように見つめた

私よりも六道骸に近い位置にいた沢田くんらが前に立ち塞がる
座っているからこそ、彼らの足の隙から見えた奴の手には拳銃が握られている。


その銃口は前…私たちの方に向けられているが
気のせいでなければ、銃による攻撃を狙っているようには見えない




その予測は正しかったようで


六道骸は銃口を自身のこめかみに押し当てた。
その行動から連想されるのはたった一つの「行為」のみ



「Arrivederci」




また会おう、という「行為」に反した言葉を残し
引き金を、引いた

+138+疑惑→←+136+応急手当



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睡-スイ-(プロフ) - ますしんさん» ますしん様コメントありがとうございます!そうなんですよね…昔はさほど気にならなかった辺、大人になったからこその損得勘定なのでしょう…大人になんてなるもんじゃないですね…←なるべく濃く書くことを意識するあまり直ぐ話がいっぱいになってしまいますが… (2020年2月6日 15時) (レス) id: 3400204ee2 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - 確かにその差にツッコミたくなりますよね。お気に入りするんなら評価もできるだろ!って…この作品、内容が濃くて読んでいて楽しいので更新速度低下は悲しいです…それでも見続けるので更新頑張ってください!! (2020年2月6日 15時) (レス) id: 378183aadc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睡-スイ- | 作者ホームページ:https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09  
作成日時:2020年1月25日 16時

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