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side T.S



雲雀さんが駆けだしたのは骸の方で
その手にはしっかりとトンファーが握られていた。

半身をよじって、右手に握られたトンファーを思いっきり振りかぶる


それは骸には避けられたが、あの人が2撃目に転ずることは無く
骸が雲雀さんの攻撃で飛び退いたため開けた火柱までの一直線を駆けだした

まさか、炎に突っ込んでいく気じゃ…!?


「ちょ、雲雀さん!!」

思わずあの人の名前を制止するように叫んでしまうが
横から「よせ、ツナ」と耳に馴染んでしまった声が俺を制止する


「リボーン…ッ!なんで!!」

と、言うつもりだった。


相変わらず俺には分からずコイツに分かっている
俺を止める理由を聞こうと思っていた

だが余りに真剣に雲雀さんの様子を見ていたリボーンに
俺は問いかける気力を奪われた


いくらアレが幻覚とはいえ
完全に見抜かないと実在する炎同然に感じるはずなのに

それに俺はリボーンに聞いたから知っているが
雲雀さんってボロボロにされたうえ、今まで閉じ込められてたんだろ…


いくらあの(・・)雲雀さんでも無茶なんじゃ…

脳内で俺がしどろもどろ色々考えていても
当の本人は炎に臆するどころか至っていつも通りの表情で炎に向かう。



雲雀さんは火柱の前あたりで少し体を屈めて両手を前に少し広げた

そして、そのまま火柱の中に突っ込んでいく。



「雲雀さん!!」



思わず叫んでしまうが
雲雀さんは入って方と逆から駆け抜けるように出てきた

その腕の中には目を見張って驚きを隠せないでいる
いつもは見せない表情を浮かべた巳國さんがいた


巳國さんは脇の下と背中に回された雲雀さんの腕に支えられ
火柱から出てくるとゆっくりと赤い池が広がらない、普通の床に降ろされる

彼女が降ろされる頃には赤い池も赤い火柱も消えていた


『ぁ、…』


まだ気持ちが落ち着いていない様子の巳國さんは
口をはくはくと動かし、何かを言おうとする仕草を見せるが言葉が続かない

しかし、その視線はしっかりと一点に…
先程まで自分を抱き上げていた雲雀さんの方に向いて、固まっていた。



「……なにやってるの。
 僕は無意味なものを拾い上げた覚えはないよ、今も昔も。」



まるで突き放すような言い方だけど
雲雀さんもしっかり巳國さんと視線を合わせている。

その言葉を聞いた巳國さんは自分の唇を少しキュッと噛みしめてから




『恭、弥…さんッ。』


と震える声で雲雀さんの名前を噛みしめるように口にした。

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睡-スイ-(プロフ) - ますしんさん» ますしん様コメントありがとうございます!そうなんですよね…昔はさほど気にならなかった辺、大人になったからこその損得勘定なのでしょう…大人になんてなるもんじゃないですね…←なるべく濃く書くことを意識するあまり直ぐ話がいっぱいになってしまいますが… (2020年2月6日 15時) (レス) id: 3400204ee2 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - 確かにその差にツッコミたくなりますよね。お気に入りするんなら評価もできるだろ!って…この作品、内容が濃くて読んでいて楽しいので更新速度低下は悲しいです…それでも見続けるので更新頑張ってください!! (2020年2月6日 15時) (レス) id: 378183aadc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睡-スイ- | 作者ホームページ:https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09  
作成日時:2020年1月25日 16時

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