+１２４+心地良い夢 ページ29
.
『ッく…、……』
痛みを強く噛み締めるように、耐えるようにペンを強く握る
崩れた床はグニャリと歪み、次第に正常な景色を取り戻す
やっと落ち着いた視界では赤ん坊くんに殴り倒された沢田くんの姿
彼の騒ぎを聞くに、彼も同様の幻をみたらしい
私は幻であるという予測を立てただけで、見抜いたわけではない
しかし赤ん坊くんは自傷行為など不要で見抜いたらしい
本当、流石としか言いようがないな
骸「そう、第一の道“地獄道”は永遠の悪夢により精神を破壊する
沢「ひぃっ…こえぇ〜〜！！」
『…悪趣味。』
広い空間に響くような沢田くんの悲鳴と対照的に
ボソリッと口の動きに気付き耳を傾けなければ気付かないような声量で呟いた
それでも六道骸には聞こえたようで
あのムカつく笑みを浮かべ、沢田くんから視線を移しコチラに向き直る
骸「そう悪いものでもありませんよ。
満開の桜を咲かせる事も貴女に心地良い夢を見せる事だって可能です」
『！ なんのことでしょう、夢なんて所望した覚えはありません』
「心地よい夢」という言葉だけを聞けば
麻薬のような夢見心地のこと、その影響による幻視のことを連想する
しかし、コイツは態々私にのみ焦点を当てている
この男のことだ。
無意味に私に挑発をしている、というわけではなさそう
コイツにはたった１日で幾度も挑発されたが、それでもコイツは狡猾だ
そんな無意味な、阿呆なことはきっと…して来ない
眉をひそめ、六道骸に対して警戒を一層強める
骸「貴女とお会いした後、貴女への興味が高まりましてね。
トップ２名が不在で手薄になっていた学校の方にお邪魔させて頂きました。
雲雀恭弥が使う応接室には在校生や近年卒業した生徒に関する資料が
綺麗に整理された状態で保管されていましたね
…おかげで貴女に関する資料も見つけやすかった。」
即座に理解する
目の前のソイツは、私が幾度も忘れてしまいたいと願った
あの事件について、弱点と言われても否めない
セキュリティがどうとかの問題ではない
こんな能力を前にしたら普通見破ることなんて不可能
そもそも、恭弥さんのように統括する存在ならまだしも
ただの一生徒が他の生徒全員の顔を把握しているわけでもあるまい
なにより応接室に出入りするのは風紀委員くらい
幾人もの風紀委員を襲撃した
コイツらなら誰かを真似ることくらい造作もないことか
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 325人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
睡-ｽｲ-(プロフ) - ますしんさん» ますしん様コメントありがとうございます！そうなんですよね…昔はさほど気にならなかった辺、大人になったからこその損得勘定なのでしょう…大人になんてなるもんじゃないですね…←なるべく濃く書くことを意識するあまり直ぐ話がいっぱいになってしまいますが… (2020年2月6日 15時) (
レス) id: 3400204ee2 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - 確かにその差にツッコミたくなりますよね。お気に入りするんなら評価もできるだろ！って…この作品、内容が濃くて読んでいて楽しいので更新速度低下は悲しいです…それでも見続けるので更新頑張ってください！！ (2020年2月6日 15時) (レス) id: 378183aadc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年1月25日 16時
