【REBORN】何が一般的かなんて分からない (ページ9)

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+５６+横暴極まりないページ9

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その子を凝視していたら廊下を走り去った沢田くんが戻ってきた
そのまま女の子を回収し、Ｕターンする。

何事かと思い、扉から覗き込むように見つめると
沢田くんは掴みあげた女の子を窓から全力で投げていた

…投げた？え？

沢田くんの人柄的に悪意を持ってとか
危害を加えるためではないとは思うけど…流石に、驚いた。

扉に手をかけたまま呆然と投げた先を眺めていたら…爆発した。
え？女の子が爆発したの？爆発物でも所持してたの？

流石に…流石についていけない。え？

顔にはきっと現れていない、だろうけど
かなり動揺してる。

爆発の振動は病院にも伝わり、微かに揺れた。

その振動を感知すると私は廊下に背を向け、病室の方を見つめる

もちろん、葉が散る音と呼べるのか？という音で
目を覚ますような彼がこの振動、爆発音で起きないはずもなく…

整ったまつ毛を曲線に連ねた瞼を、ゆっくりと開く。

開かれた瞳はコチラへ向けられた
見ているのは出入口？はたまた更に奥、音の発生源へ向けられているのか。

『…おはようございます』

雲「…なんの騒ぎ」

『騒ぎというより…爆発ですね。』

ゆっくり歩いて恭弥さんの傍に寄り、短い会話をした。

すると、恭弥さんの様子を伺いに来た沢田くんが扉から顔を覗かせ
それをバッチリ恭弥さんに見つかり、２人の視線が交わった

サアァーッと顔を青くする沢田くんと
すぐ側にあったトンファーを握り、ベッドから降り立つ恭弥さん

誰も通らない、通りたがらない恭弥さんの病室の前。
しばらく、というには短い時間だが鈍い音と沢田くんの絶叫が響いた。

心底可哀想には思ったが、特になんの手出しもせず
私は明日退院する恭弥さんの荷物をまとめ始めていた。

背後からスタスタと、聞き慣れた足音。
振り返ると少しつまらなそうな顔で恭弥さんが戻ってくる。

『散々やってご不満でしたか。』

雲「…やっぱり赤ん坊がいないとつまらないね。」

なんとも横暴な感想を述べ、再びベッドに横たわる。
まさか沢田くんは気絶させたまま放置ですか。

ため息を小さく零して不要な荷物を紙袋に入れて両手に握る。

食べきらなそうな果物も別の紙袋に入れた。

沢田くんにおすそ分け…したいけど
肝心の彼は…帰り際に別室に運ぶよう頼んでおこう。

『では、私は帰ります。明日お昼にお迎えにあがりますね。』

雲「そう。」

恭弥さんなりの了解の言葉を聞いて私は病室から退席した。