【REBORN】何が一般的かなんて分からない (ページ22)

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+６９+イレギュラーページ22

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結果、イタリア人勢の手によって生まれたのは
もち米も、小豆も、そのままの状態で両方を一緒に叩き潰した何か

その様子を見つめながら私は
『傍らにある蒸し器の意味…』と脳内で指摘していたが
米を蒸してからつく、なんて発想は生まれなかったらしい。

…これは沢田くん側の圧勝か

比較的手前でやっていた男の子らの餅つきは出来てたし
奥の女の子たちは何やら料理が出来そうだし

と、思っていたのは数刻前。

今視界に映るのは
ディーノさん、沢田くん、長髪のお姉さんの追いかけっこ

『…いや、なんで？』

思わず零れるように呟いた疑問。
多分私の頭には沢山の疑問符が浮かんでいる事だろう

リ「アイツ…ビアンキは毒サソリと呼ばれる殺し屋(ヒットマン)でな
料理はポイズンクッキングっつー毒料理になっちまうんだ。」

『…そして、自覚してらっしゃらないと。』

リ「あぁ。」

『そんなに鼻提灯膨らましながらよく会話できますね
それに…止めてあげないんですか？２人とも生徒さんでしょう？』

リ「俺の生徒はそんなヤワじゃねぇぞ」

そういいながら笑みを深め、走り回る生徒を眺める
どこからどう見ても楽しんでいるように見えるが…

まぁ、それより私は彼に聞きたいことがある。

『今回だけの話ではありませんが
貴方は何故、私を彼らの輪に引き入れるのですか？』

リ「勿論、お前もツナのファミリーだからな。」

“ファミリー…家族”

その発言に私は眉間に皺を寄せてしまう
普通に聞けば悪い言葉じゃない。ただの名詞。

なのに心のどこかでその言葉は引っかかるのだ
もう五年以上経過しているのに、やはり簡単には風化できずにいる

足元にまで迫っていた血の池が少しだけ人差し指が飛び出た
足の先端に触れた時の生暖かさ、鼻に着く異臭

欲に濡れた双眼

『…キミは、全部知っているんですよね。その上での発言ですか』

それならば隣に居る彼は相当酷い人だ。

私にとって家族とは愛しくも酷く脆く、なにより恐怖の根源だ
それなのに、彼らを私の家族(ファミリー)と称するのだから。

家族が居て、幸せになって
でも、家族のせいで私は恐怖と死を味わったというのに

心の中で、相手にはきっと丸見えであろう悪態をつく

反論もなく数秒の間が生まれたので彼の方をチラリと横目で見ると
それに気付いた彼もこちらを向いて視線を交える。

リ「正直に言えばな。
お前のような“イレギュラー”が必要になったんだ」