【REBORN】何が一般的かなんて分からない (ページ16)

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+６３+手に馴染まないページ16

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『…よろしくお願いします。』

「ああ、よろしくな嬢ちゃん。」

キャバッローネ？とやらの中から選出された代表は
まぁなんとも屈強な体のガタイの良い男性で私より２〜３０センチは高い

なんというか…まさに『筋骨隆々』という感じ。

スーツを着ていて違和感。
それぞれの筋肉が結構な自己主張をしている。

リ「おい、ディーノ。」

デ「ん？」

リ「コマは五段。先攻をAにして
　５段目も成功したら今までのチャラでいいな？」

沢「チャラ！？ってことは５６点差全部無しってこと！？」

私と対戦相手から少し離れたところで３人が話している。

隣の男性にその内容が届いているのかは分からないが
聞こえていた私への負荷…プレッシャーが増すのは分かった。

ディーノさんが赤ん坊くんの提案を飲めば責任重大な訳だが…

デ「…しゃーねぇな。」

沢「いいんですか！？」

…承認。

多分、赤ん坊くんは私の聴覚が優れてることくらい気付いていて
わざと聞こえる程度の距離で話を進めた気がする…

いい性格してるよ。

小さく溜息をついて肩を竦める
唐突の動作に隣の男性がチラリとこちらを伺った。

なんとなく彼の方に視線を向け、視線が交わるとククッと喉を鳴らし
先程のディーノさんと同様に彼もまた優しい眼差しをコチラに向けた

「どうした、緊張してるのか？」

『えぇまぁ。たった今緊張し始めたところです』

「突然の参加で１億とか言われたら普通ビビっちまうよな」

『赤ん坊くん(かれ)が言うと尚更ですよね』

私の一言に納得したが肯定しづらい様に「あー…」と言葉を濁す

初対面にもかかわらず気さくに声をかけてくれるのは
大人ゆえの余裕か、はたまたイタリア人ゆえの砕けた性格か？

リ「A。」

『はい？』

名前を呼ばれて振り返ると予想通り私が先攻だと伝えられた。

指示を受けて並べられた木槌…もう鉄なので鉄槌か。
それらの前に立ち、どれを使うか思案する。

持ち手…柄が長いもの、短いもの、太いもの、細いもの
「平」と呼ばれる表面が広い円のもの、狭い円のもの

手にすると重量感もそれぞれ異なっている

重いものを持つのに苦は無いけど太いのは手が回らない
柄が長く、細身のもの…という条件で選出すると半分くらい選択肢が減った。

減少した選択肢から更に選別。それを手で握りしめた。

普段使う武器ともジャンルがかけ離れていて
一般的に手にするはずもないソレは手に馴染まないな。