【REBORN】何が一般的かなんて分からない (ページ6)

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+５３+へつらうページ6

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「ここです」

そう一言だけを置き去りにして、主任さんは私に一礼。
そのままスタスタと逃げるようにその場から立ち去っていく。

正直、さっきまでとの態度の違いが凄まじい。

ボーッとその背を眺めながら、利己的な上に冷淡な態度
…恭弥さんが嫌いそうなタイプだなぁ、なんて思った。

そんな彼女の背を流し見ながら、扉から目を離したまま
その部屋の扉を開けた沢田くん。

その姿を少し面白そうに視線をくれてやりながら
彼は「やあ」だなんて白々しく声をかける

沢「うそーーー！！？え！？なんで病院に！！！」

面白いくらい大きな声でオーバーなリアクション
対して恭弥さんは「カゼをこじらせてね」とそのまま事実を伝える

扉に立ったままの沢田くんとベッドの上に腰掛ける恭弥さん

2人の会話を聞きながら私はそのまま部屋の中へ進み、
まな板のままに置いていたカットした果物を移した。

ここにくるまでに最初に話をした看護婦さんと遭遇、受け取ったのだ。

雲「ルールは簡単だ。…僕が寝ている間に物音を立てたら、咬み殺す」

簡潔に、理不尽極まりないルール説明を受けると
まぁなんとも分かりやすく表情を崩し、ショックを受けていた

当然だ、なにより異常なのは此処は「病院」だということだろう。
お忘れかもしれないけれど本来、病院とは傷を癒す場所だ。

そんなところで生傷を増やしていくなんて可笑しな話だ

恭弥さん以外にそんなことをされたら問題だろうけど
…まぁ、彼だし。としか言い様がない。

そして次なる犠牲者は沢田くんか。

正直、死にはしないし彼がやりたいなら好きにすればいいと思ってる。
沢田くんには悪いけれど私の最優先はいつだって恭弥さんだ。

しかし、まぁ当然だが沢田くんはこの場から逃げることを選択。

「だめだよ。医師の許可がなくちゃ」

良くなったと、見え透いた嘘をついた所で
それを遮るように口を挟む。背後から現れた院長だ。

恭弥さんの権威があれど一応はお世話になってる側。
軽く会釈をすると少し深めの礼を返される。

私にはへつらわなくていいのに。

最近はこういう対応で接されることが多い。

特に風紀委員の人らにも「さん」付けで呼ばれたり
草壁さんいわく私と恭弥さんは最早セットで認知されてるらしい。

そりゃ、療養中の恭弥さんに代わり事務にあたっていたり
日頃から彼の仕事に連れ添っていたが
別に恭弥さんのように力や権威を持っている訳では無い。

一緒くたにされるのが些か申し訳ない。